民主党は2009年の総選挙で公約したことをほとんど何もせず、さらに公約と真逆な増税などをやって顰蹙を買い、2012年の総選挙で大敗した。その後も「ウソ」が続いている。
今回の集団的自衛権の問題では、民主党は政権時代に「集団的自衛権は必要だ」としていた。たとえば、参議院の審議(平和安全法制特別委員会)、民主党の岡田代表が平成15年5月の読売新聞で「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為と見なし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある。今の憲法は全ての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる」としている。
また野田元首相は、もともといくらでも「ウソ」を言う人ではあるが、その著書で「いざというときは集団的自衛権の行使に相当することもやらざるを得ないことは、現実に起きうるわけです。ですから、原則としては、やはり認めるべきだと思います。認めた上で乱用されないように、歯止めをかける手段をどのように用意しておくべきかという議論が大切になってくるわけです」
ところが、今回の国会審議になると民主党の岡田代表は2014年6月の党首討論で「集団的自衛権は必要ない」と言った。その時、その時で、適当なことを言うのを「細野る」(民主党の政調会長)と言うけれど、まさにその時その時で自分に都合の良いことを言うことを指している。
でも、このような政党が日本に存在し、野党第二党になっているということはどういうことだろうか? それは、朝日新聞、左翼知識人に共通することで、その人たち・・・つまり場合、場合によって自分に都合の良いことを言いながら生活する人たちを代表しているからと思う。
「武士に二言はない」と言うけれど、日本人の一部の人に「二言でも三言でもある」と言う人たちが、9%(2014年の総選挙の民主党絶対得票率)ぐらいいるということだ。日本人のおよそ1割が、ウソも平気な人生を送っていて、その人たちが選挙では民主党に、新聞は朝日新聞を読んでいるのだろう。
民主主義とはそういうものだから、自分に都合が良ければ何でも言うというのも認めなければならないが、それが世論のようになるのは、やはりマスコミ(これだけ安保の報道があっても民主党が集団的自衛権に賛成していたと報道するテレビも新聞もほとんど見かけない)と「空気」に従う国民性によるように思う。
(平成27年9月19日)