歴史には大きな流れの裏に、ほぼ必ず「陰謀」、「感情」などがある。たとえば日本を戦争に追い込んだアメリカの脅迫の裏には、お金を求めるユダヤ資本の陰謀や、革命を意図するコミンテルン(ソ連)の陰謀があったとするものだ。
また、歴史の大きな流れの中には、***前女王は王位を継がせた息子の連れ合いとなった女を許すことができず***の挙に出た、というようなものも多い。
しかし、私は陰謀、感情などの歴史の裏側をあまり表に出すことをしない。人間の行為には陰謀や感情がつきもので、それは同時にあやふやなものであり、間違いも多い。そこで、「事実の裏にあるもの」はできるだけ触れず、「表だけ」で整理をしてみるのが私の流儀である。
アメリカが日本を脅迫した理由は、裏の事情から言えば、
1) ユダヤ資本の陰謀論、
2) コミンテルン(ソ連)の陰謀論、
3) ルーズベルト大統領夫人の人脈、
等が主要なものとしてあげられている。私の整理の仕方は、「歴史を正しく解釈するのは非常に難しく、事実はあまりにも多いので、むしろ大きな歴史をとらえるためには、表面的に出ているものだけで整理をしてみる」というものだ。
たとえば、アメリカが日本を脅迫したのは、「力のあるものは力の弱いものに無理難題を言ってもよい」が原因とおもう。また反対に日本がなぜアメリカを脅迫しなかったのかというと、日本よりアメリカが強いからとする、それが私の原因の整理の一つの方法である。
お金が儲けたかった、陰謀もあった、日本人も憎かった・・・それが底流にあったのだが、「強いものは何をしても良い。じゃ、しようか」というのがアメリカの動機であり、今の中国の南沙諸島で島を勝手に埋め立てて自分の領土にしようとしている根源だろうと思う。
その点で、議論が紛糾する陰謀論を少し後退させて、合意できる「表面に出ている明らかな事実」だけを取り出して、歴史の専門家でもない私たちが正しく歴史を知りたいと思う。
(平成27年6月28日)