アメリカの正義は、次のように変わって来ました。
明白な天命→白人の責務→キリスト教徒の義務→ドミノ理論(防共)→テロとの戦い(反民主主義との戦い)
1) 明白な天命・・・アメリカ東海岸に流れ着いたイギリスからの難民が、アメリカ本土にすんでいたインディアン(現在ではネイティブ・アメリカンと呼ぶ)をすべて殺戮し、その土地を取るために使った正義の御旗。キリスト教の神が西に進み、そこに居る人を殺して良いという「明白な天命」を与えたとして納得した。殺戮されたインディアン約600万人。
2) 白人の責務・・・白人は優れているので、有色人種を抑圧し、教育し、あるいはその領土を奪って白人の世界にするのが「白人の責務」であるという御旗。カリブ海諸島、メキシコ領(テキサスなど)、ハワイを侵略し、あるいは攻める口実として使った。
3) キリスト教の義務・・・キリスト教ではない国を占領し、キリスト教にするのはアメリカ人の義務であるという思想。フィリピンの植民地化とキリスト教の布教に使ったいいわけ。日本への攻撃は日本の文化があまりに強力だったので、理由を見いだせなかった。
4) ドミノ理論・・・第二次世界大戦後、共産主義が一気に広まるのを「ドミノ倒し」になぞらえ、それを防ぐものとして、ベトナム戦争を行った。
5) テロとの戦い・・・アフガニスタン、イラクなどへの侵攻の口実として使用した御旗。事実はイラクの大量破壊兵器などもウソだったが、この御旗をもとにどんな侵略や先制攻撃も許されるとした。
これらの理論武装と、ウソ、相手の挑発、偽装によって戦争のきっかけを作った。
a) 相手をジリジリ追い詰め、切羽詰まった相手が反撃するようにする手法・・・インディアン戦争、メキシコ戦争、対日戦争
b) 偽装をもって戦争を始める・・・メリー号事件とフィリピン侵略、ベトナム戦争とトンキン湾事件、大量破壊兵器とイラク戦争
アメリカとは特別な国である。このことはアメリカの学者もアメリカの中で堂々と言っているが、日本では「そんなことを言っては悪い」とか、「アメリカににらまれる」と思って言わない。日本人に正義感があるのか?
(平成27年4月6日)