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2014年(今年)は梅雨が空梅雨で、少し時期がずれて8月下旬から日本列島の各地で「記録的大雨」とか「局地的大雨」と言われるものがあった。このことを「異常気象」と言っている専門家がいるので、その間違いを訂正しておきたい。
「気象」というのは、比較的広い範囲で、地表気圧、上空気圧、高気圧、低気圧、前線、湿度、気温、水温、風、波、日射量などの配置によって、主として地表や海上でどのような天候になるかということを言う。したがって、8月下旬のように、低気圧が日本付近にあり、前線が停滞し、太平洋高気圧と大陸高気圧の関係で雨が降ったり、晴れたりするのは「ごく普通の気象」である。
その時に、どこに前線があるかどうかというのは異常でもなんでもない。だから、ある地方に「その地方では過去にない大雨が降った」というのは異常気象ではない。前線の位置が少しずれたり、低気圧の気圧や位置がずれただけで、1時間に100ミリ程度の雨は「昔からどこでも降っている」ということだからだ。
「異常気象」というのは「気象現象として異常」と言う意味だから、どこかで「その場所では記録的」という雨が降ったから異常気象というのはもともと非科学的である。また気象現象は、「まれに起こること」がある。たとえば、海で波にさらわれる人がいるが、これは「1000回に一回ぐらいは2倍ぐらいの波が来る」ということで、これは「確率的現象で分布のある場合、ある確率で「普通」とは違う状態になる」ということなので、「異常」でもなんでもない。
このことを間違って考えていると、子供が波にさらわれることになり、テレビはそんな親を作りたいということではないだろうけれど、盛んに異常と言っている。この場合の「異常」の使い方は、読んで字のごとく「常ではない」ということであり、「予想はできる」ことでもある。つまり「異常気象」には二種類があり、一つが「今まででは考えられない新しい気象現象」、もう一つが「何時も起こることとは違うが、20年、100年など時間が長くなれば定期的に起こる気象現象」というのがある。
あまりにマスコミのレベルが低くなって、御用的な気象予報士が異常気象と言うので、今年の大雨が「過去にないようなもの」なのか、「確率的にたまに起こるものなのか」がわからない。
ところで、これとは別に「防災」と言う点でいえば、「どの地域に大雨が降るか」というのが問題で、防災だから、気象現象としては普通でも、普段はあまり雨が降らないところで降れば災害が起こる。だから、「防災」という点では「その場所で記録的」であることが肝心なことで、それは異常気象ではない。
このようなことをしっかり区別して考えないと、気象的には異常ではないのか、異常なのかによって政策も変わって来るし、自分に有利に税金を取ろうとしている人もいるので、私たち納税者は気を付けなければならない。またマスコミも単に視聴率を稼ぐために大げさに言う放送局もあれば、できるだけ正しく伝えようと腐心している放送局もある。
朝日新聞の捏造もあり、これからは「面白いからあのテレビ局」というのではなく、「正しいことを伝えようとするテレビ局」をみんなで見るようにしたいものである。名古屋でも本当に正しいことを伝えたいと一所懸命なテレビ局がある。
(平成26年9月13日)