「futuu201409041057.mp3」をダウンロード


 

「日本が侵略戦争をしたのではないか」という日本人の錯覚は、日本人の中の反日日本人や朝日新聞、NHKなどにもよるが、アジアの国で白人と戦ったことがない国が隣国にあるという日本列島の特殊な位置づけにある。

インドとビルマ(ミャンマー)、マレーシアはイギリスと、ベトナム、ラオス、カンボジアはフランスと、インドネシアはオランダと、フィリピンはスペインと、ハワイや太平洋の島々はアメリカと戦った。アジアの全ての国が白人と戦い、植民地から独立している。日本は日露戦争に勝ったので、植民地にならなかったが、白人と戦った。

これに対して、中国、朝鮮、タイ(シャム)は白人と戦わなかった。それでもシャムは白人に屈したのではない。イギリスとフランスとの外交力で独立を保った。朝鮮はロシアが来たとき、たまたま国があってなかったような状態だったので、ロシアに抵抗せずに国の中をロシアの軍隊が通過するのを認めようとした。

ところが日露戦争で日本に併合されたので大日本帝国として日本と一緒に白人と戦う名誉を得ることになった。でも中国だけはアジアの中で白人とは戦わなかった。

中国はまずイギリスが来ると香港と揚子江沿岸を譲り、フランスが来ると南部を譲り、ドイツが来ると遼東半島を譲り、そしてロシアが来ると満州を譲った。中国はアジアの盟主と言われていたが、アジアの国を白人からの侵略に対して守ろうとしないばかりか、自分の国ですら守らなかった。1840年代に小さな戦争(アヘン戦争:イギリスと)をして1万人以下の犠牲を出して負けてから、白人に対する一切の抵抗の気迫を失った。

その後、満州ではロシアと内通、上海事変ではドイツ、チェコ、ロシアと内通、そして太平洋戦争ではアメリカと内通して日本と敵対し、戦後は、南はベトナム、タイにたびたび進出を繰り返し、チベット、新疆ウィグル、内モンゴル、満州を武力で併合し、台湾を自国の領土のように言ってきた。

中国がなぜ「アジアの盟主」の責任を果たさずに白人に内通を続けた理由はむつかしい。しかし、理由はともかく事実ははっきりしている。

1)ロシアが南下すると満州をロシアにわたし、日本がロシアと戦って旅順や満州鉄道など「中国(清)がロシアに割譲したところや施設」を戦った日本が支配すると、ロシアとは戦わずに満州を譲った中国が、日本となると攻撃してきた。これが後の満州事変へと発展するが、ロシアも日本も隣国だが、中国はアジア人と戦う。

2) 1930年代、上海には白人のイギリス、フランス、ロシア、アメリカとアジアの日本が「租界地」をおいていたが、中国はドイツ(軍事顧問)とチェコ(機関銃)、ロシア(戦闘機)の支援を受け、アメリカの支援の元に、突如として日本軍の駐屯部隊を攻撃し、全滅させようとした。これが、上海事変、南京事変となる。中国は白人はそのまま上海にいても良いが、日本はダメという戦略をとった。

3) インドシナ(ベトナム)がフランスに占領されている時にはフランスと戦わず、ベトナムが独立したら1979年にベトナムに80万人の陸軍で攻め入った。ベトナムの兵力の方が少なかったが、フランスやアメリカと戦ったベトナム軍の方がはるかに強く、中国陸軍は1ヶ月で膨大な損失を出して撤退した。

4)歴史的には中国(支那、China)ではない、チベット、新疆ウィグル、内モンゴル、満州に侵入して現在も支配している。

さまざまな「非常識」なことが起こり、それが日本人の錯覚(日本の知識人の錯覚)をもたらしているが、その一つに、満州は「清」の時代に、「支那が満州を占領した」のではなく、「満州が支那を占領した」のに、いつの間にか関係を逆転させ、支那が中心、満州は属国のようになっていた。そして、白人のロシアが来た時には戦わずして旅順まで割譲し、日本がロシアに勝つと中国は日本に敵対して小競り合いが起こった。

中国以外のアジアの国(朝鮮は日本だった)はすべて白人と戦ったので、日本と気持ちを同じくするところがあるが、中国と独立している状態の朝鮮だけは白人と戦ったことがないので、どうしても白人と戦う辛さを知らない。中国に「遠交近攻」という言葉があるが、平和を守るという点では、非常に悪い言葉で、こんなことを金科玉条にしていたら近隣といつも喧嘩することになる。それは現在の中国政策でも同じである。

ロシアが東に来て戦争になり、アメリカが西に来て戦争になった。次の戦争は中国が近隣を攻めることで起こる。その時に、日本人は、1)占領される、2)国土を守る、のどちらを取るだろうか。国土を守るなら、軍隊がいてもいなくても、平和憲法があってもなくても同じである。

(平成26824日)