「sinjidai01shori1123.mp3」をダウンロード

最近は夫婦そろって子育てというのが「正しい」ということになっていますが、子供は18才まで育てたら、そこで人生を終わっても良いということではありません。子供を18才まで親が育てる理由は、それ以後の人生を幸福に過ごすことができるためでもあります。

でも夫婦で一所懸命、「子育て」をすると、子供が成人した後には悲惨な社会が待っています.これまでは女が18才まで子育てをして、男が18才以後の子供が生きていく社会を作っていました。でも、今は未来の日本を積極的に考える親はほとんどいなくなりました。

そこで、ここでは「新時代への備え」と言うことで、私たち日本に住む親が、子供のためにどういう準備をしておかなければならないのか、かつての親父が口角泡を飛ばして議論していたことをブログを通じて整理をしていきたいと思います. もしかすると、今、女性が働くために男性が育児をしたりしていると、そのしわ寄せは実は子供が大人になったときに受けるような気もするのです.

・・・・・・・・・

第一回は、今後の日本に最も大きな影響を持つと思われる「アメリカの後退」について考えてみたいと思います. 

現代の世界に住んでいますと、アメリカは強大で世界はアメリカの支配のもとにずっと続くような気がしますが、大きな歴史の流れから言うとアメリカはすでに大きく後退を始めています.

アメリカ合衆国は今から350年ほど前にイギリスから大西洋を渡ってきた人たちによって作られ、最初は今のニューヨークやワシントン、ボストンのあたりに集落を作ってすんでいました.

その後、徐々に人口が増え、インディアンを圧迫しながら、「西」へと進みます.「西」=ウェスターン=フロンティア、などはほぼ同じ感じで、アメリカが膨張をもとめて西へ西へと進んだエネルギーを示しています.不思議なことにアメリカ人は、北(カナダ方面)も南(メキシコから南アメリカまで)も関心がなく、ただひたすら西を目指します。

なぜ、アメリカ人は西に進もうとしたのか、私の解釈では、イギリスから西に逃れてきた慣性力が働いていると思います。 犯罪人ではなく、主として宗教上の理由などから、当時にイギリスからアメリカに小さい船で移動してきた人たち。今ではアメリカは巨大で富んだ国ですが、当時のイギリスは世界一の繁栄を遂げていて、アメリカはインディアンという人たちが半分、裸ですんでいる土地と思われていました.

そこに危険を冒して移住するのですから、どうしても故郷を離れなければならない理由がある人たちと言うことになり、東の方、つまり自分たちが逃げてきた方向はj金輪際、見たくない・・・ということは西ばかりを見ていることになります.

アメリカ人は何かにとりつかれたように西へ西へと動き出します。その最初の犠牲者がインディアン、二番目がメキシコ系の人たち、そして殺戮に殺戮を繰りかえして、アメリカ人はカルフォルニアに達します.

3a20e49a.jpg

この間、メキシコとの間では「アラモの砦」という事件があり、騎兵隊が惨殺されたということで、アメリカがさらに西に進む口実を与えます。このことは歴史的に見直す必要があり、それについてはこのシリーズでも取り上げていきたいと思います。

いずれにしても殺戮されたインディアンは数100万人とも言われ、もともと北アメリカに住んでいた穏やかな性質を持つ黄色人種はほぼ根絶やしになってしまったのです。これも世界史の中で、「アーリア人の進出と殺戮」ということで、歴史を見るときには必ず頭に入れておく必要のあることです。

いずれにしても新大陸に逃げてきたアメリカ人は、西へ西へと進み、カリフォルニアに達し、眼下に広々と広がる太平洋を見たことでしょう。アメリカがさらに西に進むためにはこの広大な太平洋の向こうに行かなければならないのですから、普通なら、カリフォルニアで西進は終わるはずと思います.

319e2da4.gif

今での航空機でアメリカの東海岸から西海岸に行くのに4時間もかかります。当時は幌馬車でしたから、延々、がたがたする幌馬車にのって数日間の旅を要しました.普通の気力なら、人口密度も少なく、耕地も豊富にあるのですから、あれほど大量にインディアンを殺して、少しは反省し、これ以上、他の人たちに迷惑をかけないで、自分たちはこの広い大地で生活をしていこうと思えば良かったのに、アメリカ人はそうは思えなかったのです.

西に行かなければならない!西へ行くのは神の命令だ!と強い衝動に駆られて、アメリカ人はまもなく広い太平洋に船を出していきます.今から150年ほど前のことでした。それから世界のかなりの人はアメリカ人のためにかき回され、戦争し、苦しみの中で人生を送ることになります.

今、アメリカをこのようなとらえ方で考える人はそれほど多くありません。まるでアメリカが太平洋を渡って日本まで来ても、不思議には思わないのです。それに対して、日本が太平洋を渡ってカルフォルニアに軍隊を送るというと「とんでもない!」と思う人が多いでしょう.

時に歴史を振り返ることは私たちの日常での狭い視野を一気に広げてくれることがあります。「なんで、アメリカ人がこんなところにいるの?」と疑問を持つことは今後の日本のために、私たちの子供のためにとても大切なことだからです.

(平成26620日)