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憲法9条ほど日本の中で言葉の魔術が駆使されているものはないだろう。

 

9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
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 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

解説によると(どこにでも書いてあり、私も学校で習った)、「戦争の放棄」と「戦力の不保持、交戦権の否認」だそうである。憲法は国の基本となるもので、国民相互の約束で、自分たちが約束したものだから、かならず国民は憲法を守るはずである。

 

憲法:  戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認
 
自衛隊: 軍備として世界のベスト10に入る
 
駐日アメリカ軍: 世界最強の軍隊
 
日本の防空識別圏: 他国の空軍機が侵入してきたとき邀撃のために出撃する空域

 

自衛隊が軍隊かどうかで違憲状態かどうか決まるわけではない。日本の駐在するアメリカ軍は世界最強の軍隊だから、アメリカ軍が日本に駐留している限り、「戦力を有している」と言うことになる。

 

また防空識別圏を設定しているということは、他国の軍機が侵入したら交戦を目的として日本の自衛隊機かアメリカ軍機が飛び立つのだから、「交戦する前提」であることがわかる。

 

ここまで明確に憲法違反しているのに、「憲法9条は世界に誇るべきものだ」とか、「憲法9条を守れ」ということは、「憲法はあっても守らなくてもよい」ということを言っていると同じだ。もしかすると、日本人が順法精神を持っていなかったり(11ミリの被曝基準を無視)、言葉の魔術を日常的に使うのは、憲法9条があるからかもしれない。

 

私達の憲法だから、この際、憲法9条を保持するのか(自衛隊の廃止、アメリカ軍の撤退要請、安保条約の廃棄、集団的自衛権の検討中止など)か、もしくは憲法9条に変わる「部分的再軍備」か、もしくは日本軍を持つということにするのか、私達は議論し、ごまかすことを止めるべきだ。

 

(平成2666日)