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先日、ある女性の気象予報士が「最近、地球の温暖化が進んでいるので、北極の気温があがり、寒気団が・・・」と解説していました。私は普段は、その人の言ったことに注目するので、経歴などはあまり気にしないのですが、あまりにおかしいのでちょっと調べてみたら、科学の経験はまったくない方で、科学を知らないで気象を解説しているようです。気象予報士の試験に気象学になくてはならない、熱伝導、熱力学、地球物理学などの試験科目がないからでしょう。

 

科学は「思想」でも「思い込み」でも「人のうわさ」でもありません。科学を志す人(気象予報士もその一人)は「事実」、「データ」、「真実」に「興味」がなければ仕事を辞めたほうが良いと思います。

 

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このグラフのように地球はここ15年、気温が変わっていません。したがって、今年の寒気団が1975年から1995年までの20年間の気温上昇に影響され、1995年から2014年までのほぼ20年間の一定の気温に依存しないのなら、それは極めてむつかしい理論なので詳細な勉強が必要です。

 

一般的に、気象が「最近20年間の気象条件」によらずに、その前の20年間に影響を受けるというのは考えられません。おそらく、私がテレビで解説を聞いた女性の元気の良い気象予報士は科学の訓練を受けていないので、データを良く自分で見ないで、「うわさ」、「空気」、もしくはアメリカのホワイトハウスのような「政治機関」のステートメントをそのまま伝えたのでしょう。

 

科学は政治でも、噂でも、人間関係でもありません。気象予報士の方は、公共の場所で気象の解説をする場合には、気象庁の御用専門家にもならず、自分の思い込みでもなく、他人から「データと理論は?」と聞かれたときに、しっかり説明できるようにしてください。

 

気象予報士の方はほぼ真面目で事実に基づきお話をする人が多いのですが、私が聞いた気象予報士の人の解説は科学としては落第でした。若い女性ですが、しっかりしてくださいね。そうしないと真面目に勉強している気象予報士が可哀想です。

 

(平成26127日)