名護市長選で現職の稲嶺氏(基地反対)が当選した。国は名護市辺野古に普天間にあるアメリカ軍基地を移設することを決定し(民主党政権前)、先月には沖縄県知事の了承を得ていた。だから選挙に当たっては「どうせ市長が反対しても国は強引にやるのではないか、それなら最初から賛成して補助金をもらったほうが良い」という人がいる中での反対派の当選だから、拒否の姿勢はかなりはっきりしていると言える。
この名護市の状態を見ると「日本人の悪い癖」が見え隠れする。それはちょうど、原子力と同じで、やがて福島原発事故のような大きな災害になる可能性がある。だから「いつもダメだなあ」と言っていてもだめだと思う。問題点をまず整理してみる。
1)普天間基地を辺野古に移設しようというきっかけはアメリカ兵の犯罪が起きたからで、辺野古に移ったらアメリカ兵の犯罪がなくなるという理屈はない、
2)普天間ではオスプレイの飛行などで危険があるが、辺野古では安全になるという理屈が通った説明がない、
3)民主党の政権が辺野古に基地を移す計画を白紙に戻すという宣言をしていて、「国の方針」と言っても政権によって大きく変わるが、名護市に住んでいる人にとっては政権の政策が大きく変わって振り回された、
4)自民党がこれまでやってきた「県北振興費」は中間の人や大手の会社がその大半をとってしまい(事実は不明確)地元の繁栄に活きていない、
5)沖縄県知事は基地の県外移設を唱えて当選したのに、公約を破って辺野古への移設を承認した、
6)すでに16年間も「基地が来る、来ない」でゴタゴタし、町は支離滅裂になった。
少し、飛躍するけれど、なぜこんなにもめたのか、原子力と非常に似ているので、その原因を推察してみた。(ここから先は音声で詳しく解説しました)
1)国、官僚、東大教授、アメリカ軍支持派、総じて日本の指導層は「反対する奴らは、どうせ左翼で言っても理解しない」と思っている、
2)日本の指導層は怒りっぽい。もしくは「意見に違う人に憎しみを持つ」という特徴がある、
3)日本の指導層は自分の人生が「お金」なので、他人もお金で動くと思っているし、事実、原発もそうだった。
この原因の一つ一つが深い内容を持っているし、このブログの主たるテーマ・・・日本人が合意するための心の持ち方と議論の方法・・・と直接的に関係している。日本人は未来の子供たちのために、良い日本を引き継ぐ必要がある。それには「対立」ではなく、「議論と合意」であると思う。
議論と合意を得るためには、1)事実を共有する、2)意見が対立する場合はその根拠を述べる、3)感情的にならない、ということだろう。つまり順序としては
事実→整理→意見→感情 であることが大切だ。
そしてもう一つ大切なことが、意見の違う人に対して心の中に憎しみを持たないことで、これがこのブログで紹介している教育基本法の目的(個人の価値をたっとび)が身についている必要がある。他人が自分の考えと違っても、信じていることが間違っているように自分には見えても、それは自分の方が未熟だ(個人の価値を尊ぶことができない)と思う心がまずは必要と思う。
一つ一つのことはまた機会があったら書きたいと思う。
(平成26年1月20日)