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西ヨーロッパの国としてはイタリアはイギリスはドイツとかなり趣きが違う。具体的に書くときりがないが、オランダに学ぶを書いた後なので、イタリアに学ぶということで、2,3の話をしたいと思う。

 

イタリアは離婚率が低い。普通、公的な離婚率とは1000人当たり、その年に離婚した人の率を言うけれど、ここでは「結婚した人の何組が離婚するか」という世俗的な離婚率で整理をする。

 

イギリス、ドイツ、オランダなどの離婚率が約50%、つまり結婚した2組のうちの1組が離婚するのに対して、イタリアはほとんど離婚しない。この理由として、1)カソリックで離婚が認められていない、2)相手を選ぶのが慎重だ、という二つがある。いずれにしても法律的に離婚する数が極端に少ないことは良いことでもある。

 

イタリア人の男女の愛は、ロミオとジュリエットでも知られているように激しい。そして30歳を過ぎるまで平均的に3人から5人とやや深く付き合い、相手をよく理解してから求婚するとも言われる。

 

2011年イタリアで大きな地震があった時、地震予知に失敗した地震学者が裁判で有罪になった。このことについて野蛮国日本では「学問の自由に反する」などという見当はずれの意見があった。そして日本では今でも平気で「間違った地震予知」をする学者が絶えない。

 

学問の自由は内的精神的自由であるから、国家の委員などの「権限を持った立場」で発言すればそれは学者としての発言(学問の自由のもと)ではなく、専門家の発言(社会との契約に基づく発言)である。医学者が安楽死を研究しても良いが、医師が患者に安楽死を施すには社会の合意がいるのと同じである。

 

イタリアは古くローマ文化の土地柄であり、精神界(キリスト教)や法律制度(ローマ法)などでは日本より経験もレベルも高いのだろう。イタリアと言えば、デザイン、イタリア料理、少しだらしない金銭感覚、すぐ女性のお尻を追う男性・・・というイメージだが、実は学ぶべきことも多いように思う。

 

日本もイタリアに負けない伝統と文化を持った国だったが、明治維新と大東亜戦争の敗戦ですっかり魂を抜かれてしまった。

 

このブログの目指すところは「反目より融和」、「嫌いより好き」な社会を目指すことだが、それには第一に事実を知ること、第二に広く知見を持つこと、でこのイタリアや先に出したオランダの話は第二の方だ。自分の意見はしっかりしているように見えても、ちょっと違う国のことを聞いただけで、「そういうのもありか!」と思う。だからカッと来ないためにも広く知ることも大切だ。

 

(平成26110日)