やしきたかじんさんが他界され、各界から多くのお悔やみの言葉が報道されている。私もお付き合いは短いけれど、個人的にもお知り合いでもあり、特別な感情が湧く。 一言でいえば、彼は「現在の日本人が「このような気持ちをもって、このように行動したい」と思っていることそのままだったと言えるのではないか。情が深く、正直で、細かい配慮もできるのに豪快で、チマチマと自分の健康に気を付けるより楽しい人生という感じだった。 歌がお好きで、トイレでも歌を口ずさんでおられたし、コンサートでは心を込めて全力で歌っておられた。司会者としても大成功した人の一人だが、ここでも正直、誠実で、鋭かった。私は彼がスタジオにいてくれれば「私の意見を言わせてもらえる」という安心感があった。 2011年にご病気された後、2013年4月に復帰されたときには痩せておられたということもあるが、なにか辛そうだったので心配していたが残念だった。他界は常に辛いものだが、彼のことだから心はさばけていたのではないかと願うばかりである。 テレビはやはり人柄だ。あまりに情報量が多いので自分というものを隠すことはできない。その点ではありのままの情報を伝えることができなくなったテレビ界にとっては惜しい人材を失ったともいえるし、後を継ぐ人がぜひ、彼の志を継いでほしいと願いたい。 ご冥福をお祈りします。 (平成26年1月9日)