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沖縄のアメリカ軍基地の問題は、本土に住んでいる日本人も良く考えなければならないと思う。事実は、
1) 沖縄にアメリカ軍の基地が集中している、
2) 駐留軍と地元住民とのトラブルが多い、
ということだ。もし日本軍なら同じ民族なのでこじれないことも、なんといっても異民族なので、事件が起こるたびに「アメリカ軍は出ていけ!」ということになる。確かに独立国に他国の軍隊が長期間にわたって駐留しているのは不自然でもある。

 

今回は普天間にあるアメリカ軍の基地が住宅地の真ん中にあるので、それを海を埋め立てて新しい基地を辺野古に作るという問題である。つまり、

 

a)アメリカ軍と日本の防衛省は辺野古に移そうとしている、
b)
沖縄の人の中にアメリカ軍は沖縄から出ていけという考えの人がいる、
c)
基地を普天間から辺野古に移すのに反対の人が辺野古におられる。

 

もちろん、問題の根源は、
ア)日本の防衛をアメリカ軍に依存するのか?
イ)沖縄に軍隊がいなければ中国に占領されるか?
の2つだ。

 

日本は戦争の後、独立してすでに60年以上になるけれど、まだ「自分の国を自分で守る」という決意はついていない。平和憲法は「交戦権」を否定しているから、単独で日本を防衛するのはかなりむつかしい。

 

特に中国とロシアは巨大な軍事力を持ち、自衛隊に対して兵士の数で中国は10倍であり、原爆も保有している。普通に考えるとアメリカと同盟を結び、中国の侵略に対抗する必要があるし、日本人の多くもそれを支持している。

 

2013年(今年)の8月に、中国は「尖閣諸島はもちろん、沖縄は中国領だ」と人民日報に公式に論文を掲載している。したがって、沖縄に軍隊がいないと中国は尖閣諸島と沖縄を占領するだろう。

 

明治維新までは沖縄は琉球王国だったのだから、沖縄のことは沖縄の人が決めるのが最も良いだろう。日本人としては残念だが、沖縄の人が中国の方が良いと思っているなら無理に引き止めるのは良くないと思う。

 

おそらく「普通に考えると」つぎのようになるのではないか?
1)日本は憲法を改正して日本軍を作り、アメリカとの同盟関係を維持して、日本列島からアメリカ軍は撤退してもらう、
2)中国と戦争するときには、日本列島の日本軍と、グアム、サイパンなどに駐留しているアメリカ極東軍と共同で応じる、
3)沖縄はできれば日本軍が守りたいが、沖縄の人が日本でも中国でも良いというなら、仕方がない。
4)沖縄を守るなら基地はいるし、尖閣を守るなら航続距離が500キロメートル以上いるから、現在のシーナイトではなく、オスプレイに変えなければならない。また軍隊は最新兵器で戦うものだから、50年前に作られたシーナイトを最新兵器に替えるのは当然である。
5)辺野古の基地は埋め立てが原則だが、環境を破壊しないように埋め立てをすることはできる。

 

現在の日本と沖縄の人の議論は、基本的なことを避けていて、対象となることだけを言っている。また、「環境」との関係では、「埋め立て」が「環境」に悪い影響があるかどうかについて「学問」として研究する必要がある。

 

つまり「無計画な埋め立て」が「一時的に環境を破壊する」のは当然だが、学問的に良く検討された埋め立て計画が、「長い期間で環境を破壊する」というのは考えにくい。日本列島、たとえば関東平野も濃尾平野も「川による埋め立て」でできたもので、現在のように「川に堤防を作って川の土砂の埋め立てをさせない」というほうが自然の破壊のように思う。

 

川に堤防を作れば、川底は上がり、埋め立てはなくなる。その分の埋め立ては堤防を作った人間が計画的に埋め立てをするのが良い。また自然の埋め立ては1万年かかるものを人間が10年でやったからと言って自然が破壊されるとは限らない。たとえば縄文時代は火山の大爆発で錦江湾ができたし、富士山の爆発であれほどの山ができている。短時間の変化も自然の中には多くある。

 

私は、現実的な解決策は、平和憲法を守り、自衛隊ぐらいの軍事力で我慢し、アメリカと同盟を結び、日本とアメリカの関係を良くして、沖縄、長崎、福井、金沢のように中国が攻めてきそうなところを防衛する・・・それは日本人の平均的な考えだと思う。

 

(平成251229日)