女(母親など)の子育ての原理は「バッシング子育て」であり、男(父親など)の子育ては「芋づる子育て」だ。どちらが良いということはなく、両方あって始めて正しい子育てができる。
「子育て」のようなものは「将来にその成果がでる」というものなので、とても難しい.時に「理論」が先走ってとんでもない結果になることがある。その一つが「抱き癖と自閉症」である。
自閉症は未だにその病態の全体像が明らかになっているわけではないが、母子の分離、抱き癖などとの関係が強調され、今ではそれらの対策が間違いだったと指摘される事も多くなってきた.
でも、子どもにとっては大人の人体実験の犠牲になるようなもので、昔からの養育方法と違う方法を採るときには、理論や自分の狭い体験を強調することなく、徐々にゆっくりと養育、育児、教育を変えていく必要がある。急いではいけない.
間違った養育法や教育法の多くは、功を焦った学者が理論に基づき、また少数の例(たとえば私の子どもは・・・という類い)を強調することによって起こったことが多いが、子どもには取り返しがつかない.
子どもは昔から、お母さんとお父さんに育てられる.接触機会は圧倒的に母親、そしてときどき雷が落ちるのは父親だったし、一方、細々と注意を受けるのは母親、たいていの事をしても起こらないのが父親だった。
そして、正しい子育ては父親と母親のやり方が違うことが正しかった.しかし、草食系男子と強い母親の登場で、「母親が正しいと思う教育法」が幅を利かせている.でも、それが本当に子どもによいのかかなり怪しげである.
母親は「バッシングタイプ・・・ダメ!」、父親は「芋ずるタイプ・・・なかなか良いな」という特徴がある。少し前までは母親の権限が多くなったのでバッシングタイプが増え、最近では「何でも褒める」というなにか判らないような中性的な指導方法が流行している.
「叱らない教育」というのがそれにあたるが、私はかなり危惧している。私が正しい教育方法を知っているわけではない。ただ、数年前に出てきたような教育方法は「達成度評価」・・・その子が大人になったときにどうなるかが判っていない・・・という点で誰でも良いか悪いかが判らない状態なのだ.
(平成25年10月20日)