福島原発事故を受けて「原発の安全新基準」というのができた。この安全基準が少なくとも福島原発事故の原因と考えられることを直接的に防ぐことができるようになっているのか、また福島原発事故によって「不十分だった基準」がどのように補われたのか、まったく報道されていない。
ただ「新基準」ということだけが強調されている。つまり極端に言えば「旧基準」と「新基準」の間になんら実質的な差が無くても、「新」と言えばそれで良しとする旧来の田舎政治の域を出ていない。
最低でもクリアーしなければいけないこと、
1)原発立地が地方に限定されていることと安全性(居住制限など)、
2)核廃棄物をどうするか決めないでの運転、
3)固有安全性の証明が無い場合の事故が起きたときの措置、
4)多重防御が成立しなかった原因と新基準、
5)耐震性、地震に伴う諸条件の判断基準、
6)耐テロ防衛の基準、
7)事故時の付近住民の避難と防御、
などは最低限必要であるが、ほとんど何も新基準に入っていない。
ただ、原発がもったいないから運転するではあまりにも技術者として情けない。原発の償却は4兆5000億程度で、これは年間予算と対策費で数年で終わることができる。
日本経済にとっては原発を中断して火力発電所にした方がずっと発展性が高い。
(平成25年7月1日)