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臨済宗僧侶・玄侑宗久さんは盛んに「被曝限度に関する日本の法令は無意味だ」という言動をくり返しておられ、活動も積極的だ。日本の国民が尊敬する僧侶という立場なので、ご質問したい。

玄侑宗久さんの根拠は「法令で11ミリと決めているが、決め方が乱暴だから守るのは馬鹿らしい」ということと読んだ。

人は自由な意見を持つのは問題がないが、民主主義の中で専門性を必要とするものは、専門家が集まって協議し、法令などを定め、それを国民に提示してOKを得て、実施する。

これまで原子力の運転はすべて「公衆の被曝限度は11ミリ」として「国民の了解を得て」実施してきた。原子力側からのクレームもなかった。

だから、玄侑宗久さんが個人的に異なる意見を持っていても良いが、それが社会に影響を与える形で提示され、「法令の基準を変えろ」と主張するなら良いが、自治体などに「法令違反を勧める」というのは民主主義ではない。

もしこれが臨済宗の教義によるのなら、民主主義の手続きとは相容れないので、どのような社会体制を望んでおられるのか、そこを明らかにして欲しい。

私は心の大切さを主張し、仏教の方との接触も多いが、決して、民主主義に反する教義を仏教の諸宗派が持っておられる感じはしない。むしろ、法令を守り、国民を守ろうとして、経済は2の次だが、玄侑宗久さんは「経済的損失が大きいから、法令を守るな」と言っておられ、かなり特殊と感じられる。

(平成25531日)