今から10年ほど前、私は「日本の伝統的な材料を勉強しよう」と思い、同士の方や井戸理恵子さんなどのご援助を得て、西日本を中心として研究会をしていました。
この写真の左上は「大麻」の畑で、今では「麻薬」のように言われていますが、日本の伝統的な材料として欠かすことのできない大麻を勉強していた頃のものです。「大麻」と聞くと多くの日本人がビックリしますが、大事に世界大戦までは日本には普通に大麻が栽培され、利用していました。
日本人は麻薬があっても2000年間も使わなかったのです。
右の上の写真は大工の棟梁が作った家、左下が日本古来の方法で鉄のナイフを作るところを見ている研究会の人、そして右下が油団の制作を見ている同じく研究会のメンバーです。
伝統材料研究会を通じて私が会得したものの一つが、私の心に深く根ざしている日本文化だったというのはあまりに当然のことでした。
二番目の写真は江戸組み手の作り方や「古く直す」という技法を用いている職人さんの話を聞いているところ、加賀の漆器の仕事場、そして和紙の人間国宝の方の紙すき、さらには右下は和紙の神様、川上神社です。
1200年を経た神社は威厳もあり、材料もシッカリしていますが、最近の建築物は50年も経つと、みすぼらしくなるのも違いの一つです。
(平成25年3月3日)