被災地の瓦礫を他県に移動するのは次の点で「法律違反」か「法律の網の目をくぐる」という範囲になるのです。
1) 1キロ100ベクレル以上は「低レベル廃棄物」(低レベル廃棄物の基準は明確ではありませんが、これまではこの程度でした)、
2) 低レベル廃棄物相当のものだから、首長や議会が単独に決められるものではなく、住民説明、住民投票などを必要とする、
3) 1年に0.01ミリシーベルトの被曝になる可能性のあるものは「原子炉で汚れたもの」として一般の社会に持ち込まない(クリアランスレベル:違反は1年以下、100万円以下の罰金)。およそ1キロ100ベクレル相当。
4) たとえ持ち込むものが1キロ100ベクレル以下でも、簡単な操作中に100ベクレルを超える行為をしてはいけない。「焼却したら直ちに8000ベクレルになる」などは法の精神から許されない、
5) 日本の法律ではセシウム137が1キロ1万ベクレル以上になると「放射性物質」になって厳密な取り扱いを求めている(放射線障害に関する複数の法律。もちろん同じ数値)。そこでその10分の1のレベルは普通は使用を制限する(10分の1については多数の議事録あり)、
6) 合計2300万トンの瓦礫のうち、400万トンだけを搬出する合理的な理由が示されていない、
7) 地元はそのほかにも瓦礫を多く抱えていて、むしろこの400トンも含めて処理施設ができるのを望んでいる、
8) 瓦礫処理単価が、阪神淡路で2万2千円、今回が6万3千円で、その差の理由が明確に示されていない。遠隔地に運搬するからという理由もあるが、遠隔地に運搬する理由が示されていない。
9) 福島原発から漏れた80京ベクレルは、もし日本人全員が平均的にかぶるとすると日本列島には住むことができなくなるが、
このようなことを考えると、政治家や役人が自ら法や法の精神を守ろうとしない姿が浮かび上がります。これほどの矛盾を認めては民主主義とは言えません。
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(平成24年5月5日)