北朝鮮が2012年4月13日7時42分頃、北朝鮮からミサイル(人工衛星用)の発射があり、1分程度飛行して洋上に落下したとの情報が得られた。
しかし、この情報が国民に提供されたのは、実に1時間ほど経った後だった。防衛大臣の記者会見は「日本には影響がない」というもので、事実の報道はほとんど無かった。
その直後にNHKは解説者は「発表は国民がパニックにならないように」という注釈をつけた。さらに発射後、初めての記者会見で藤村官房長官が「国民におかれましては」という言葉を使ったことが虚言に聞こえた。国民が主人なら情報が入った直後、つまり7時45分頃には第一報を出せたと考えられるからだ。
7時40分頃、SEW(早期警戒衛星)で発射の熱源を認め、発射方向は南、発射後、数ヶに分かれたということがわかっていた。イージス艦などのレーダーもとらえていた。
後に報じられた宮古島からの報道では、J-ARART(早期警戒通報)はなにも伝えず、宮古島の人は結局30分ぐらい後のテレビで落下を知ったという。ここでも政府かどこかの機関が、福島原発と同じ細工をして国民の危険を知らせなかったのだろう。
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「政府、報道」とはいったい何だろうか? 「パニックに陥る」というのは何だろうか? すでに日本国民は阪神淡路大震災、東北大震災を経験しパニックにならない民族として世界的な評価を受けている。パニックになるのは政府の方だ。
かつて大東亜戦争の時、アメリカ軍のB29がサイパンを出撃したら、「できるだけ早く出撃を感知し、できるだけ早く国民に知らせる」ことが空襲の損害を減らす第一の方法だった。
当然である。空襲で被害を受けるのは国民であり、その国民に一刻も早く情報を伝えるのが政府や報道の役割で、B29が空襲を終わったことを「確認して」から伝えても何の役にも立たない。
その意味で、今回の北朝鮮のミサイルに対する「防衛」はパック3の迎撃ミサイルだけが報道されていたが、ミサイルを撃って何分後にその情報を流せたのか、もし途中で墜落するのだったら発射後、何分後なのか、それに対して沖縄の人は「何に」注意をしなければならないのか? このことはあまり報道されていなかった。
このことは原発再開とも深く関係している。まず第一に原発事故や迎撃することが大切だが、もしそれが起こったときにどのようにして被害を最小限にできるかが問題である。今回のミサイルでも、何秒後に感知し、何秒後に国民に知らせ、破片が宮古島に落ちるのは何分後、もし弾道が外れたらどの範囲が警戒しなければならないのか、ほとんど広報や報道はなかった。
何のための報道か?と今回もまた思い知らされた。特に受信料を払っていて他の民放とは違う報道が必要(だからこそ受信料を払っている)なNHKは情報がなぜ入手できなかったのか、詳細に報道する必要がある。
(平成24年4月13日)