原発がなければ電力が足りない? シェールガスがいくらでもある? メタンハイドレードがよい? 天然ガスだけが有望? ・・・エネルギーや電気についてさまざまな意見が飛び交っています。

 

この中で普通の人が何が将来のエネルギーとして適当かを判断することはまず無理と思います。それは学問的なものだけではなく、利権や思想などが複雑に絡み合っているからで、またエネルギー問題というのは多くの環境問題の中でも飛び抜けて複雑でもあるからです。 

 

でも、簡単な方法があります。それは「電力を自由競争にする」と言うことです。現在は電力事業が国の統制下にあり、火力発電はほぼ自由ですが、原子力発電は国が原爆(爆弾)が欲しいので、1年に約1兆円の補助をしています。

 

電力の総売上は約15兆円で、利益率は3.5%ほどです。その中で原発が30%程度を占めています。利益率は原発の方がよいので原発の総売上は5兆円、利益率を5%とすると、2500億円の利益になります。

 

つまり、電力会社の表面上の利益は原発が2500億円と大きいのですが、国が1兆円を支出しているので、結局原発は実質7500億円の損失になります。もう少し辛く考えても、直接的な国の援助だけ(研究開発費、地元交付金など)で5000億円ほどを出していますから、実質2500億円の赤字になります。

 

電力会社の経営者に取ってみれば、国が原発にお金を出してくれるので、実質赤字でも原発の方が儲かるという奇妙なことになっているのです。これは個人が太陽電池をつけるときと同じで、「乞食根性」、つまり自分だけでは赤字になるが、他人のお金を当てにすれば商売になると言うことです。

 

だから、もし国家が「原発推進政策」をやめて電力の自由にすれば、電力はリスクが高く、収益性がない原子力をやめて、火力発電所を主力にしてやっていくと思います。

 

(電力会社は東電ばかりではなく、九州電力、北海道電力などがやらせメールなど間でして、原発をやろうとしています。電力は公益事業ですが、「国が税金を出してくれるから、原発はお金になる」という理由だけで原発を強行しようとしているので、全く支持することはできません。しかし、長期的には(1000年後)原発などの電源も必要になるかも知れませんが、1000年後のことは今、考えても無駄です。・・・1000年前は紫式部の世界ですから・・・)

 

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第二の問題としては、これほど社会では「太陽光発電などの再生可能エネルギー」が有望だと言っているのに、電力は電力中央研究所など長期的な電源確保の体制も持っているにもかかわらず、なぜ「再生可能エネルギー(科学的にはあり得ないが)」を開発しないのでしょうか?

 

「税金をもらう」というのは不健全なことですから、電力会社のような資金豊富な会社が将来を見て開発し、かついわゆる再生可能エネルギーが有望なら、研究をやるはずです。でも、太陽光発電にしても他の方法にしても、火力発電より2倍から3倍のコストがかかるので、健全な民間企業ならやらないでしょう。

 

科学的な発展は、原理原則や基本的技術ができてから30年ほどで実用化され、もしその時期に実用化されないようなものは、仕切り直しになるのが普通です。蒸気機関と蒸気機関車、電気と電灯、半導体とトランジスタなどいずれもこのような経過をたどっています。「超伝導」のように発見から80年ほど経って、注目され、膨大な補助金が投入されたような礼は実用化が難しいのが普通です。

 

つまり、もし国がいらぬちょっかいを出さずに原子力の補助金も含めて、民間企業として自由競争の中に電力を位置づければ、コストの安い火力発電だけになり、その中でも自然に天然ガスとか石炭などになり、我々が何が有望かなど考える必要もなくなります。

 

電力会社が悪徳でも、近いうちに石油や石炭がなくなるか高騰するとわかっていれば、それに対する原料の代換えを考えるのは、ごく普通の企業活動だからです。

 

つまり日本の電気代をアメリカ並みにして、エネルギーの選択を正しくするには電力を自由競争にすればよく、そうすると税金も格段に安くなると言うことがわかります。消費税の増税をやめて電力の自由化をするべきでしょう。

 

今のエネルギー論争のほとんどは、自分の研究にお金を呼び寄せたいというような不純な動機のものが多いようです。一人一人の専門家が空気を事実としたり、自らのお金や名誉を優先するのではなく、明治天皇がご誓文で言われたように「万機公論に決し」て、日本の将来、日本の子供たちのために魂を呼び戻して欲しいと思います。

 

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(平成2441()