年金問題はのどに刺さった骨のようなものですが、これを明るく解決することができます!!

 

1970年代の記憶をそのままにして役人が「社会保険庁の不祥事」を起こし、「後期高齢者なる言葉」を使ったために、年金問題は大混乱に陥ってしまいました。現在は、その混乱を整理することなく「高齢化社会は必然だ」という変な理屈のもとで増税が叫ばれています。

 

しかし、この問題は将来の日本社会の根幹に関わるので、役人の悪さに引きずられないでしっかりした考え方を作ることが大切です。

 

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人間は集団性の動物ですから、平均寿命が43歳(今から90年前の1920年の日本)の場合も、現在も、そして平均寿命が100歳になるころも、「教育専業年限」も「引退後期間」も一定で、その比率は若干の議論があるでしょうが、教育専業比率が20%、引退後期間が20%、働く期間が60%というのが常識的でしょう。

 

平均寿命が70歳の時には、15歳で働きにでて、55歳ぐらいで定年を迎えるという感じですし、寿命が100歳になったら、20歳まで勉強、80歳で引退するということで合意が得られると思います。健康状態によっては25歳まで勉強し、85歳まで働くということになる可能性もありますが、5歳ぐらいの差をあまり過度にいわずに、おおよその概念を決めておく方が大切でしょう。

 

今後は女性のほとんどが仕事に参加するでしょうし、電子化も進みますので、60%の就労率なら、「年金問題での増税」はまったく不必要なことがまず判ります。そして、80歳で引退ですから、「高齢者問題」などは存在しません。

 

繰り返しますが、「ある年齢を区切って「高齢者」と決める」のではなく、「平均寿命に合わせて仕事を引退しても良い年齢を決める」ということで「どんなに平均年齢が伸びても高齢化社会は来ない」ということになります。従って、「増税」も「高齢者」の問題も存在しません。

 

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もう一つ、年金の問題を解決するために、決定しておかなければならないことがあります。それは「年金に役人を入れない」ということと、「日本人なら誰でものたれ死にしない」という原理原則を決めておくことと思います。その理由は拙著「国債は買ってはいけない(東洋経済新書)」に載せています。

 

年金が破綻する理由が3つあります。一つが役人が悪さ(中間マージン、運用失敗を含め)をすること、二つ目がインフレが避けられないこと、三つ目が国民が甘い夢を見ることです。

 

一つ目は当然ですから説明をはぶくとして、二つ目は「インフレにならないこと」もありますが、「インフレになったら俺の老後は破綻する」と思っていると、気が気ではないからです。現在の政府はインフレをコントロールすることができませんので、弱いインフレが来ると、50歳までの年金の積み立ては無意味になります。このことは過去の実績から前出の拙著に詳細に解析してあります。

 

三番目は政治家が国民に甘いことを言うから、それに期待して失望するということです。この3つを克服するには、わたしはたった一つの方法しか無いと思います。それを下に示します。ここから先は「年金」という文字が消えますので、頭を少し切り換えていただく必要があります。

 

1) 現在の65歳から将来の80歳まで、「年齢比率」に合わせて、定年と無条件生活保護資格年齢をスライドする。

 

2) 生活保護費はすべて「税金」でまかない、無条件生活保護資格年齢に達した人で生活保護の申請があった人に支給する。

 

3) すべての生活保護費はその年の内に決算する(積み立てゼロ)。同時に、20歳から仕事をするべき人も含めて「人生はできるだけ生活保護を受けないように自分で計画する」という教育を20歳までに行う。

 

4) 生活保護費の上積みは「銀行預金」などで個人がしておく。

 

「役人がタッチしない」、「その年の内に決算してインフレの危険を避ける」、「よりよい生活は本人の貯金で」というのが基本的な考え方で、要するに「年齢に関係なく、何かの事情で働くことができなくなったら生活保護費を貰う」ということです。

 

病気(心の病気も含む)、体力などの理由で自分で生活ができない人について、国家が生活保護をするというのが原理原則で、そのうち、「無条件資格取得年齢」を決めて、それ以下の場合は生活保護の審査を、それ以上の年齢の人は無審査というだけの違いです。

 

「老人は尊敬し、いたわるが、社会の一員である」というハッキリした立場をつくり、合わせて「働ける内に生活保護を受けるのは恥だ(乞食は恥だ)=国民の誰かは働かないと日本は成立しない」ということを学校で明確に教育しておくことが良いとおもいます。

 

幸い、憲法には「勤労の義務」があり、それを免れるのは20歳までだけで、20歳になると親も扶養を止め、本人が勉学したい場合は、返済しなければならない奨学金や生活費の支給を受けるという制度を念頭に置いています。

 

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このような社会を実現するためには、役人の数を減らし、補助金を止め、**財団などの建造物を民間に売り渡すなど「自分で働いたお金で自分が生活する」、「非常時は必ず国が助ける」という二つの基本思想を明確にするということです。

 

私はエコポイントや太陽電池のような「乞食政策」をすると、年金も破綻するという考えです。これについてはまた機会を見て詳しく説明したいと思います。

「takeda_20120213no.424-(10:17).mp3」をダウンロード

 

(平成24213日)