(千葉の降下物のデータを一番下に示しました)

今日は、セシウム降下物の状態と、その危険性の推定を行いました。結論としては、今日ぐらいから下がると思っていましたが(実際には2日遅れになる)、また増えてきましたので、残念ながら、あと1週間は様子をみなければなりません。

 

福島の人は注意をして、1)マスク、2)洗濯物を家の中に干し、3)外出は避ける、4)外出から帰るときには玄関先で服をはたく、という程度の注意をしてください。被曝量の増加は1年間で0.1ミリシーベルトぐらいが足されることになります。

 

北関東から東京、神奈川の人、宮城の人は、風の強い日はマスク、洗濯物は外に干した場合、取り込むときに叩く、外出はOKという感じです。マスクは花粉用で一応OKとも考えられますが、専門家の方から微小な浮遊物も入っているとのご指摘もあり、万全を期するためにはN95ということになります。

 

・・・・・・・・・(以下、データと計算)・・・・・・・・

 

 

621056e7.jpg

 

12日に400(メガベクレル/平方キロ)を超えた定時降下物は1月5日には28まで下がりましたので、大丈夫かと思っていましたら、また上がってきて1月8日には137へと増えています。この値を11月のはじめの安定していた8日間と比較してみると、下の表にあるように全く違います。

 

11月はじめにはセシウムの合計が、4,0,0,0、0、5、14,4と、観測される日で4とか5、多い日で14です(検出せず=0としている)。それに対して、1月は、0,432,126,45,28,72、91、137ですから、これは、たとえこの後、0になったとしても一応、警報を出さなければならないのは当然です。

 

 

635e833e.jpg

 

従って、残念ながら、発表が2日遅れで、「花粉予想」のような「セシウム予報」が出ない状態では、国民は万が一、高くなる可能性を考えてマスク、洗濯物などを注意しなければなりません。

 

・・・・・・・・・

 

それでは、この程度のセシウムが問題になるかどうかを検討します。メールでは「空間線量が上がらない」というものもありますが、定時降下物が高くなったから、すぐ空間線量が上がるわけではありません。定時降下物が高いということは、空気中にセシウムが浮遊しているということです。従って呼吸で肺に入ったり、洗濯物に付着して室内に持ち込まれるということが問題です。

 

これについては、一応、福島市付近で空間線量率が1マイクロシーベルト、空気中ダスト0.1ベクレル/立方メートル、土壌10万ベクレル/平方メートルのところを基準にして考えてみます。また定時降下物の量は若干増えることを予想して500メガベクレル/平方キロを基準にしました。

 

学問的には、地表面汚染密度(ベクレル/平方メートル)に再浮遊率(1/m)をかけて、空気中の放射性物質の量を出すのですが、この場合、メカニズムが異なる可能性があるので(土壌からの飛散だけとは考えにくい)、実績を比例して考えてみます。

 

通常では1日の降下量が1から10ぐらいなのに、その500倍から50倍になっているので、土壌が1万ベクレルの時に空気中のダストが0.5ベクレルになるとします。呼吸量は1日で22立方メートルですから、11ベクレルになり、内部被曝量は1年間で0.11ミリシーベルトになります。つまり、今までの被曝量にさらに1年間0.1ミリシーベルトの加算になるということです。

 

1年1ミリが日本の法律ですから、その10%になり、これは「注意を要する量」ということになりますので、報道機関は今後、500メガベクレルぐらいになる(1月2日のように)と予想される時には「セシウム予報」を出してください。

 

普通の人はセシウム濃度の変化を監視しているほどには暇がなく、そのために受信料や購読料を払っているのですから、報道は「危険か危険では無いか」という「意見」をあまり持たずに、事実を淡々と知らせて欲しいものです。

(添付を忘れていましたので、千葉の測定値を貼りました)

f1951fd4.jpg

(平成24111日)