「トキ」はあまりにも大きい。背のたけ80センチ。羽を広げれば1メートル30センチもある鳥だ。こんな大きな鳥がこの狭い日本に野生で棲むことはできない。
歴史を調べてみるとトキが減り始めたのは江戸時代で、ニホンオオカミ等とともに徐々にその数を減らして行き、明治(まだ農薬を使っていない時期)には絶滅寸前になっていた。
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「ゲンゴロウ」はありふれた虫だった。60年前、東京のどこでもかしこでもゲンゴロウを見ることができた。愛嬌のある虫だったから女性にもそれほど嫌われず、水たまりにはゲンゴロウが泳いでいる姿があった。
そのゲンゴロウが東京で静かに絶滅した。誰も気がつかず、「保護運動」は盛り上がっていない。なぜ、東京に住んでいる人がトキの保護運動をするのだろうか? そう聞くと答えは決まっている。「トキを保護しようとしているのではない。自然を守る象徴として運動している。」
でも、その人はコンクリートジャングルに住み、エアコンの中で過ごし、コンビニが500メートル以内にないと文句を言う。もちろんゲンゴロウの絶滅や舗装で根絶やしになったミミズなど関心はない。
命の尊さ、自然との共生・・・東京のゲンゴロウの絶滅・・・まさに現代日本人のダブルBだ。く考え、現実を見、人生を考え、シングルMに戻りたい。
(平成23年11月5日)
(小学館から「生物多様性のウソ」という書籍を今年、出しています。私は自分の心の中にあるダブルBが子供たちを被曝させたのではないかと強く思います。)