道路を走っている人が「こんな真っ直ぐで広い道を60キロ制限とはなんだ! 100キロでも大丈夫だ」と言って100キロで走ることは許されるでしょうか? もちろん、法治国家では許されません。

 

いったん走り終わったら公安委員会などしかるべきところに言って、速度変更の委員会などを開き、社会的合意のもとで制限速度を100キロにして貰わなければなりません。

 

このような問題を出したら、日本人のほとんどの人は、「そりゃそうだ、自分がどう思うかは勝手だが、社会にはルールがある」と言うでしょう。

 

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今、政府や自治体、専門家が「1年20ミリシーベルトまでの被曝は大丈夫だ」と言っていますが、子供たちが被曝している最中です。被曝を早く止めるのに全力をあげなければならない時に、被曝限度(最高速度)を無視してはいけないのです。

 

被曝がいったん、収まったら「被曝委員会」を開き、大いに自由に議論し、国際的にも協力をえて、1年20ミリに変えることはあるでしょう。法治国家ではどんな小さなことでも法律や規則で決まっている時、それを実行している時には勝手に変えてはいけないのです。

 

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こんな当たり前のことをなぜ日本人は忘れて、「どれだけ被曝してもよいのか判らない」と言い出したのでしょうか? 制限速度は決まっているのです。60キロでも100キロでも事故は起こるでしょうが、その確率を社会で合意するのですから、新しい制限速度も社会の合意が必要です。その時には100キロで車にはねられる人、20ミリでガンになる子供の立場からの意見も述べられるでしょう。

 

(平成231023日)