仮に日本の政府、自治体、もしくは報道が原発事故と汚染の問題についてより積極的に取り組む姿勢があれば、群馬大学の早川先生が出されたような汚染マップを常に測定し、報道すると思います。

 

たとえば、自治体が連携して自分の市町村の線量を測定し、それを一枚のマップにしていけば、政府が怠慢でも住民を守ることができますが、日常的な業務ではないそのような連携をする力はすでに自治体のお役人にはないかもしれません。新しいことが起こった時に、自分の意志と知識を動員してそれに取り組むのは、慣例に従って日常的な業務をやっている人にはとりわけ難しいものです。

 

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台風が日本列島を縦断したのですから、現在の最大の関心事である「放射性物質はどうなったのか?」ということを調べるのが大切です。

 

読者の方からの情報をまとめてみると、

 

1) 予想通り台風で放射性物質が飛散し、汚染地帯が拡大した。おおよそ1時間に0.1マイクロシーベルトぐらい増大した地域がある(先ほどこの記事を出しましたら、台風で0.1マイクロシーベルトぐらい下がったところもあります。風によって増えたり減ったりしているのですね。全体は変わりませんから)、

 

2) 台風の雨でセシウムが地下または河川に流れた可能性があるが、ハッキリしない、

 

というところです。今のところ、台風によって放射性物質が飛散し、その結果、今まで住んでいたところから逃げなければならないということはなさそうです。

 

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3月12日から半年が経ち、多くの人が生活の将来をお考えです。いろいろな悩みが終わりですが、典型的なものと私のアドバイスを書きました。

 

1) 生活習慣の中で被曝を減らすようにしていく。食材は現在は魚がもっとも危険です。牛乳は「メーカーが表示せずに逃げ切った」という状態です。自然の状態で栽培しているキノコ類はまだ危険なようです。新米はもう少し様子を見て、産地と汚染の関係がハッキリするまで待つのが良いと思います。この際、外国の小麦を使うパン食などがお勧めです。

 

2) 「被曝を避けるために逃げる」というのは実にもっともな話ですが、日本社会はまだ村八分の感情が残っていて、「土地を捨てるのか」というような反発を受けます。被曝を避けるために移動するときには個人的な理由を言った方が良いでしょう。暗い社会ですが、いたしかたありません。

 

3) 日本の食糧自給率はもともと40%ですし、お米などに注意をすれば全体をあまり意識しなくても良いと思います。またマスクは要らなくなりましたが、時々、家の中を掃除して汚染を除いておくことが大切です。線量率が半分になれば病気になる確率は半分になりますから。

 

4) 1時間あたりの線量が0.2マイクロシーベルトを超えるような場所では、本来なら自治体が「ミニスポット地図」をつくっていただき、そのような場所に児童が近づかないようにすれば、被曝はかなり下がるのですが、なかなか自治体の腰が重く、残念に思います。最近では少し疲れてきたのか、「汚染は言ってくれるな」という感情も出てきてやっかいになりました. 私は男性の人が、順法精神(1年1ミリ)と子供を守る必死の心を持ってもらいたいと思っています。

 

人間の行動も意識も、また自然の状態も時間ともに変化していきます。臨機応変に少しずつ変化に応じていくのが良いと思います。

 

(平成23923日)