あるテレビで「悩み事コーナー」のようなものがありました.そのとき、私は「向こうから来るものにあまり心配しない方が良い」という話をして、私の生き方の一つを、次のように話しました。
「車に同乗させてもらい、私がパソコンをやっていると、「よく平気ですね。酔うんじゃないですか?」と心配してくれます。そのとき、私は「ありがとうございます。でも、酔ったら吐きます」と答えます、と話したのです。
人生は心配事ばかりで、一応の注意はしても何が起こるかはわかりません。だから、「どうなるのか」を心配するのではなく、「もしそうなったら、そのときには仕方が無い」と思って覚悟を決めておいた方が良いと私は思うのです。
アルフレッド・ヒッチコックという映画監督が「人間は本当の恐ろしいことが起こった時より、恐ろしいことが起こるのではないかという中途半端な時が一番恐ろしい」ということを「サスペンス(宙ぶらりん)」というジャンルの映画で描いて見せました。
現代の病の一つとして、起こることを心配してしまうということがあるように思います。テレビなどでそれを煽る傾向もあるからかも知れません。
人間は100%の確率で死にますし、人間にとって一番恐ろしいことは死ぬことです。でも、どんなに心配性の人でもやがてこの恐ろしいことに直面し、なにげなくこなしてきたのですから、人間は恐ろしいことに耐えられるようになっているのです。
それをかつては「神様の思し召し」、「運命として受け入れる」ということで日常の生活からは切り離していたのでしょう。
「酔ったら吐きます」・・・私はそう思って人生を送っています。(音声あり)
(平成23年8月18日)