(お断り)

 

鶏肉の状態について、調査が終わっていません。少しお待ちください。

 

(注)ここで「壊れた」というのは、地震が起こって建物の中のものが落ちたり、壊れたりしても、1,2ヶ月で点検が終わって再スタートできるものを除く。

 

つまり「地震がきてもなにも起こらなかった」ということでは無かったことに限定する。

 

ここでこのようなことに注釈をつけるのは、「東日本の原発が壊れた」というと、原発の再開に強い熱意を持っている人から「棚からものが落ちたぐらいで壊れたと言うな!」とお叱りを受けるので、機械の損傷や放射性物質が漏れたような状態を「壊れた」と言うことにした(結果的には同じだが)。

 

・・・・・・

 

2007年に震度6で壊れた原発

 

石川県志賀(しか)原発

 

新潟県柏崎刈羽原発

 

●2011年に震度6で壊れた原発

 

青森県東通原発

 

宮城県女川原発

 

福島県福島第一原発

 

福島県福島第二原発

 

茨城県東海第二原発(第一はすでにない)

 

●地震が予想されるので止まっている原発

 

静岡県浜岡原発

 

・・・・・・

 

東日本(青森から石川県)の原発で、震度6に耐えた原発は皆無である!! その数、30基。

 

壊れた原因は単純ではない。地震そのものの揺れ、津波の影響、人為的ミスなどがあるが、いずれも「震度6の揺れ」に耐えられない。

 

・・・・・・・・・・

 

次の連立方程式は解けない。

 

1) 日本の原子力発電所を作る技術は世界一である、

 

2) 世界で多くのところで原子力発電所が建設されている、

 

3) 日本人は慎重な性格で、工業製品の信頼度は高い、

 

4) 日本に震度6の地震は1年に1度ていど来ている、

 

5) 東日本の30基の原発が震度6で破壊された。

 

この矛盾を解くためには次のいずれかを加えなければならない。

 

A) 設計自体に欠陥がある、

 

B) 電力会社に欠陥がある、

 

C) 安全を監視している国に欠陥がある、

 

D) 日本社会に欠陥がある、

 

E) 運転に欠陥がある。

 

AからEまですべてが原因している。

 

A)は忘れもしない、原子力安全委員会、耐震指針専門委員会で私が「建物が壊れなくても、死者がでるような設計ではないか」と聞いたのに対して、東大の建築の先生がせせら笑ったことに代表される。

 

原子炉建屋さえ壊れなければ問題は無い。そんなつまらぬ質問をするかということで、原子炉を知らない設計者がいたということだ。

 

B)もこれまでの東電の隠蔽、九電のやらせメールを見れば、言うまでもないだろう。

 

C)も無人の外人記者クラブで「質問はないですか?」と聞き、事故で多くの人が苦しんでいるときに西山さんが高級ホテルで不倫をしていたことで象徴される。

 

D)は20年間で800億円という交付金と税金を貰えば危険な原発も受け入れた地方自治体である。

 

そして、E)は事故が起こって地元消防に通報しなかった現場にある。運転は緊急時の動作にこそ現れる。

 

・・・・・・・・・

 

かくして、福島原発の事故が偶発的なものではなく、原因がはっきりしていて根が深いものであることがわかる。

 

それをまったく解析、説明をしないで「玄海原発の安全宣言」を出した経産大臣も「国の欠陥」を示している。

 

私は技術者として真摯に考えると、残念ながら日本はまだ原発を再開する力がないと思う。

 

どうしてこんなに簡単なことが日本の原子力関係者で合意できないのだろうか? 科学技術は国民を不安に陥れるためにやっているのではなく、国民に安心できる幸福な生活に向かうものだから。

 

(平成23720日 午後6時 執筆)