日本政府は本当に困ったものです。

 

福島原発事故直後は「健康に影響はない。なんでもない」と連呼したので、福島では特に注意をしなかった人が多かったようです。

 

「人を信用する」というのは、その人の言ったことをそのまま信じることですから、まさか事故直後から、福島の人は牛の餌を外に置いたら出荷できなくなるなどとは思わなかったでしょう。

 

農水省は「放射性物質で汚染された餌を食べさせないように」と注意したのだから、酪農家が悪いと言っていますが、こんなに無責任なことはないでしょう。

 

官房長官や保安院の言ったことを信用してはいけないというのですから、身勝手なものです。

 

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むしろ、「福島で育てた野菜やウシが汚染されないのは至難の業です」と最初から注意が必要です。

 

またさらに「福島産の野菜や農産物を忌避するのは、風評被害を増す人だ」とまで言ったのです。

 

今まで、「風評」という間違った定義を信じて、福島産の食材でベクレル表示のないものを、政府を信用して食べた人がかわいそうです。

 

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ところで、西日本にも汚染された野菜や牛肉がやってきました。だから、「ベクレル」から「シーベルト」への換算が必要です。

 

公的なところでは、放射性元素ごとに「実効線量係数」というのを公表しています。

 

これらの表では、mSv/Bqという欄があり、ヨウ素131なら経口で2.2×10-5、セシウム137なら1.3×10-5、ストロンチウム90なら2.8×10-5などとなっています。

 

この数値自身は間違っていないのですが、計算しにくいのではないかと思いました。その理由は、

 

1) ミリシーベルト(mS)といっても、1時間か、1年かわからない、

 

2) ベクレル(Bq)と言っても、グラムあたりか、キログラムあたりかわからない、

 

3) 10-5と言ってもなれていないと計算しにくい、

 

ということで、私が計算しやすいように、まず、係数の2.2、1.3、2.8の3つの平均的な値として、2.0を使い、さらに、ベクレルはキログラムあたり、シーベルトは1年あたりのミリシーベルトにしました。

 

つまり、新聞などで「1キログラムあたり2800ベクレル」とあれば、

 

実質的な被曝量(1年あたりミリシーベルト)

 

=(食品のベクレル)×(1日に食べる量)×(365/1年)×2.0×10-5

 

=(食品のベクレル)×(1日に食べる量(キロ))×0.0073

 

としました。

 

これで計算すると、たとえば、100ベクレルの放射性物質が入った水を使うときには、飲み水だけなら0.64リットル、体に接する水の総量なら2リットルですから、

 

100×0.64×0.0073=0.46ミリシーベルト

 

100×2×0.0073=1.46ミリシーベルト

 

となり、この値は1年あたりになっています。

 

だから、この場合、飲み水だけでも0.46ミリシーベルトになり、11ミリの国際基準の半分ぐらいになるから危険な水ですし、体に接する水として計算すると、水だけで1.46ミリになり、基準値を上回ることがわかるからです。

 

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このブログに何回か書きましたが、政府や御用機関が出している「暫定基準値」などは、「水だけを飲んで生きる」、「牛肉だけを食べて生きる」という一つのことだけを計算していますが、人間は、空間からの外部被爆、呼吸による内部被爆、水、食材などから被爆しますので、「足し算」をしてください。

 

(注)このブログは読者の方からもう一度、説明して欲しいとの希望があり、掲載しました。

 

(平成23716日 午後7時 執筆)