使命感か、お金か、経済か、それは不明だけれど、どうしても原発を動かしたい人がいる。
立派な人でも原発再開に賛成している人がいる。だからあながち間違っているとは言えないかも知れない。
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でも事実はこうだ。
2007年に震度6の地震が2つ起こり、石川県の志賀(しか)原発と、新潟県の柏崎刈羽原発が破壊した。
震度6以上で設計していたら、破壊してはいけない。
2011年に震度6の地震が起こり、青森県の東通、宮城県の女川、福島県の福島第一、第二、そして茨城県の東海原発が壊れた。
さらに静岡県の浜岡原発が運転を休止した。
つまり、震度6で、東日本の青森から石川までの原発はすべて壊れたのだ。
東日本は全滅した。
この事実をみて、「原発は安全だ」という技術者はいない。日本の技術者は全員、おそらく「原発を止めて欲しい。私たちが誤った。このままでは危ない」と思っているだろう。
技術とはそういうものだし、私もそういう人生を送ってきた。原発がもろかったことに強く反省しているが事実は事実である。
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福島の子供たちは苦しむだろう。
福島の農家の方は苦しんでいる。
なんの咎もないのに、苦しんでいる。
それは、私たちが電気を使いたいからというだけだ。
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それでもどうしても原発を動かしたい人たちがいる。
彼らにも彼らの正義がある。だから、残念だが、それを認めなければならないだろう。自分は神様ではないから、自分が間違っているかもしれないからだ。
でも、2度と再び、福島の子供、福島の農家の苦痛を拡げたくない。
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どうしても原発を動かしたいなら、救命ボートを用意してください!
原発の救命ボートは簡単です。
1) インフルエンザ用のマスク、
2) 当面の水、
3) 気象庁が風向きをテレビで連続的に示す、
4) 市役所が放射線をはかって高いところを示す、
5) 県は女と子供を避難させるバスを用意する。
これだけやってくれれば、原発の近くの人も被爆しない。
そしてさらに国家は
6) すぐ除染を始められる体制をとる、
7) 農家などの1年分の生活費を用意する(1年で除染する)。
この7つができたところから原発の再開をしたければ仕方がない。
私は技術者として再開して欲しくないが、どうしても電気が欲しい人がいれば仕方がない。
でも、救命ボートだけは用意して欲しい。なにもしないで再開したら、また福島の農家の人の苦しみを繰り返す。そんなことはどうしても我慢できない。
(平成23年7月14日 午後11時 執筆)