誰が考えたのかは、わからないけれども、2年ぐらい前からエコポイントという制度ができた。
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お父さんが小学校5年生ぐらいの男の子を連れてテレビを買いに行く。量販店で適当なテレビを見つけて「これにしよう」とお父さんが言う。
そのテレビの値段は5万円だった。
息子は「ウン」と一旦は言うけれども、近くを見渡すとエコポイントが2万2000点ついたもっと大きなテレビがある。
「お父さんこの方が2万2000点もエコポイントがついてるから得なんじゃないの」と息子がいう。
お父さんがどう答えるかと思って聞いていると「そうだねそっちのが得だね」と答えている。
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わたくしはびっくりするやら、がっかりするやらして、その量販店をあとにした。
わたくしだったらどう言うだろうか。またわたくしの父親だったらどう言っただろうかと思った。
エコポイントというのは鳩山前首相のお母さんがお金を払ってくれるわけではない。税金だからお隣の人が払うようなものだ。
それに対してお父さんが稼いでくるお金というのは、額に汗をして働いた給料だ。お父さんがなぜ働くかというと、ご飯を食べたり、テレビを買って家族で楽しむことである。つまりテレビを買うお金を稼ぐためにお父さんは働いているといっても良い。
それなのにテレビを買うときに、他人のお金をもらって何になるのだろうか??
お父さんにはこう言って欲しかった!
「何を言ってるんだ。うちはそんな乞食の家ではないぞ。お父さんが一所懸命で働いてるのはテレビを買うためだ。小さなテレビでも自分のお金で買うことが大切なんだ。」
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この子供が65才になって母親を亡くしたとしよう。65歳になったその子供はこう思うだろう。
「そう言えば、お父さんは他人のお金をもらえるなら乞食になっても良いと言っていた。テレビを買おうというもそうだった。お母さんの葬式を出せばお金がかかる。その代わりお母さんを押し入れに入れておけば年金がもらえる。
そうか!お父さんを教えてくれたのはお母さんが死んだ時に押入れに入れて年金をもらえということだったのか!」
そして、彼はお母さん押入れに入れて、お母さんの年金をもらって暮らした。
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こんな教育をされる子供が多くなれば日本は立派な国になれないのは当然だ。その点で「エコポイント」という醜悪な名前の制度を作った政府の人は日本の文化や日本の将来を壊しても、当面の経済の方が大切なのだろう。
でも、経済を回復させるからと言って、どんな事でもしてよいということではない。
エコポイントのように、
第一に名前が現実の結果と矛盾している、
第二に日本人に「働かなくても人のお金をもらえ」と教え、
第三に環境省がエコポイントの計算をねつ造し、その資料を捨ててしまう(このブログでも書いた)、
という泥まみれの制度を作ってはいけない。
政府が泥にまみれになっているのは、頭でっかちの官僚だから誠実さを失うのも仕方が無いが、国民は自らの意志を示し、自分たちの判断で乞食にならないことはできる。
(平成23年2月17日 執筆)