昨夜、厳密に言えば今日の朝まで、TBSラジオの「ニュース探究ラジオDIG」という番組に出ていました。
お相手は、TBSアナウンサーで有名な竹内香苗さんとカンニング竹山さんのお二人で、優しい竹内さんと鋭い竹山さんとの楽しい2時間ほどの時を過ごしました。
ラジオの番組なので、落ち着いてお話ができますし、その場で視聴者とのやりとりができることも番組に深みを与えていました。
テーマは「地球温暖化」、そして、少しだけ「リサイクル,レジ袋」などの環境問題を話しました。
話の内容はこのブログでもご紹介しているような内容ですし、いつも講演会などでご質問頂くこととほぼ同じだったのですが、強く感じたことが1つ、ありました。
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視聴者の方は、たとえば「北極海の氷が融けてホッキョクグマが困っている」とか「温暖化で海水面が上がり、ツバルが沈んでいる」とか、さらには「南極が温暖化して南極の氷が減っている」と信じているようでした。
それもすべて「過去形」で、将来の問題ではなく,現実にすでにこの3つのことが起こっていると多くの視聴者が、それこそ「素朴」に信じて疑わないのです。
それは、「映像」がテレビで流されたことが大きかったこと、第二の原因は多くの人が「NHKを中心としたマスコミ」を信じていて、自分たちの「本当のこと」を伝えてくれていると素朴に思っている事でした。
なんとも言えない気持ちになりました。
視聴者から来るご質問はみんな真面目で、政府やNHKの言うことを信じて、その人、その人なりに心配したり、工夫をしておられるのです。
そして本当に信じているので、「ホッキョクグマが苦しんでいないというのは、何を言うのか!」という方の気持ちも分かります。
でも、少なくともこの3つのことは「ウソ」だったことはすでに明らかなのです。
それも、NHKなどは「資料を十分に調べ、現地に行ってロケをしている」のですから、最初からウソをついて純朴な視聴者を欺すつもりだったことも確かです。醜い放送局です。
カンニング竹山さんは、私の本を読んでおられることもあって、事実についてはある程度、知っておられたのですが、「なぜ、そんなウソをつく必要があるのか?」という疑問を持っておられましたが、視聴者の方は「そんなことがあるの!?」という驚きをぬぐえなかったようです。
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報道側は、人間社会の将来を心配して、国民に警告を与えなければ成らないから、そのためのウソも良いと考えたのでしょう。
また、一つの報道がウソをつくと,他の報道も仲間内のことですから、その報道が「ウソだ」とは批判しにくかったのでしょう。
でも、報道は報道局のためにあるわけではなく、言うまでもなく国民のためです。だから、一つの放送局が「ホッキョクグマが困っている」と言っても,他の放送局が「あの報道はまちがっている」と否定しなければなりません。
事実,学者の間では、渡辺先生、丸山先生,伊藤先生、そしてかなり前から槌田先生など、「まちがっている」と言う人がいたのです。
学者も学者仲間がありますからお互いの遠慮はあるのですが、それより「科学的に正しいことを言う」というのが誠意と言うもので、それがまだ残っているのです。
番組で視聴者の方から「マスコミ批判を聞きたくない」というコメントがありました。私もマスコミ批判をするつもりもないのですが、ウソが流れるとどうしても批判的になり、またそのウソの原因を言わなければならないので、必然的にマスコミ批判になるのがつらいところです。
でも、受信料をもらっている視聴者に「すみません。間違えました」と謝らないNHKも相当なものです。
(平成22年6月22日 執筆)