誰でも、その人の思想と夢がある。
イエス・キリストを信じている人は、それがその人の人生である。
お釈迦様を信じている人は、教えを宝として生きている。
神道を心のよりどころにしている人は、神社で心を込めてお参りする。
全部OKという人もいる。
一人一人の人の思想、信仰、夢を大切にしようではないか。
自分が偉いからと錯覚し、他人をバカにして思想を強要する社会は暗い。
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「環境」にはそんな傲慢な気分が蔓延している。
「ものが大切であることが判らないのか!」と言って分別を強要する。
母は「ご飯を残してはいけないよ」と教えてくれた。それはご飯粒一粒が何グラムのCO2であるなどと教えているのではない。お百姓さんが作ってくれたこと、それで自分の命をつないでいけることに対する感謝の気持ちだ。
分別を強要する人は、リサイクルが現実には余計に資源を使って、そのあげくにほとんどを焼却していることには目をつぶる。
「環境」のことを本当に考えているのではない。暇つぶしに始めたNPOを維持したいとか,テレビに洗脳されたというような理由だ。
「偽善」は醜い。自らの偽善を打ち破るには本人の覚悟しかない。。
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もっと醜いのは、自分ができないのに人に強要することだ。
東京の人は、日本列島に住んでいる人の中で、「CO2による温暖化」にもっとも「協力」している人だ。
間違えてはいけない。「温暖化阻止」に協力しているのではなく,「温暖化」させるのに一所懸命だ。
東京は過密な都市で、ほとんどのビルが冷暖房をガンガンつけている。電車は縦横無尽に走り、自動車も道路に溢れている。そこから膨大なCO2が排出している。
道路は舗装されているし、樹木は少ないので、水は蒸発せず、さらに暑くなる。
代々木にあるNHKは巨大な社屋でものすごい量の電気を使い、1990年と比較して80%も電気消費量を増やした。
いや・・・
首都機能を果たし、日本が発展するために東京はドンドンやって欲しい。でも、同時に「日本人の誠実さ」を捨ててもらっては困る。
自分が東京に住みたいなら,また東京で活動するなら、「CO2を削減しよう」などと呼びかけては困るのだ。
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人間、何が醜いかと言えば、「自分のことを棚に上げて、他人に強要する」というほど醜いことはない。
自分が泥棒して、他人に「盗むな」と言ってもそれは意味が無い。そして「俺は偉いから、お前とは違うのだ」と言うのなら、最初から「倫理・環境」などの文字を出してはいけない。
温暖化阻止を叫んだり、指導したりしている人の多くは東京に住み,「自分よりCO2を少なく出している人」に対して「もっとCO2を減らしなさい」と指導している。
たった、こんな簡単なこと・・・自分ができなければ他人に強要しない、もし自分が「するべきだ」と思うなら、それを実行する・・・ということすらできないのだから、大きな顔をするな!
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きっと、こう思っているに相違ない。
「俺は偉い。偉いから俺はCO2をドンドン出して,東京に住んでも良いが、庶民はバカだ。だから、いくらでも騙して金を巻きあげることができる。子どもの教育?そんなこと知ったことか。日本の誠?何を言っているんだ。俺は高給取りだし、自分の所得を自由に使って何が悪い。だいたい、CO2を減らそうなんて、思っていたら東京にいないよ。」
100の屁理屈,100の言い訳はできるが、たった一つの誠意ある行動ができない人たち、それが日本の指導層に多すぎる。
(平成22年6月12日 執筆)