日本のプライド高いお母さんは乞食になった。
テレビで若いお母さんが、髪をセットし,サッパリした服を着て、子どもを抱き、そして政府から支給される子育て手当という「現金」を数えているのを見ると、私は頭がクラクラする。
子供は敏感だ。お母さんが手にしている現金がどういうものかは知らなくても、何となく「乞食になった」ということはわかる。
子どもが小さい頃、生活は楽ではない。でも、親のもっとも大切なことは「子どもを育てる」ということだ。これこそが生物である人間の最重要事項であり、家族の紐帯を強くする原因となる。
結婚をするとき,「自分は世帯を持ち、子どもを育てることができるか?」と自問自答する。結婚がまだ遠い若い時代でも,「自分も力を付けて将来は世帯を持って、子どもを育てなければならない」という気持ちが努力に結びつく。
結婚費用や新居は親に頼る、子どもができたらお隣さん(税金)にお金をもらうという日本人が増えたら、それでこの国は終わりだろう。
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でも、若いうちは苦しい。だから社会的な援助が必要だから、できるだけ学校での負担が少なくするような工夫はいるだろうが、直接、現金を与えるのは精神的にスポイルしてしまう。
個人のつきあいでも,「おごってもらう」ことはあっても、「現金を貰う」ということには抵抗がある人が多い。
現金を貰うのは乞食だ。だから、当然、抵抗がある。それがまともな日本人の倫理観である。子どもを抱えて現金を数えるお母さんは醜い。
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私は幼い頃、両親から「額に汗して働いて、それで貰ったお金だけで生きて生きなさい。体でも悪ければ別だけれど、決して、人様のお金を当てにしてはいけない」と繰り返し習った。
それが私を支えてきたし、今でもなんとか自分でやっていきたいと思い、毎日の生活を切り詰めてもなにか起こっても大丈夫なように準備をしてきた。
それが、いつの時代にも「まともな人生」というものである。
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民主党政権の最大の危険の一つに,「お金を上げるから票をくれ」という政策だ。子育て資金、高速道路無料化、高校無料化、エコポイント・・・すべては乞食を作る制度だ。
日本人のプライド・・・他人の金は貰わない・・・ということを根本から崩そうとしている。
高速道路の無料化にしても、高速道路の管理を合理化して、その分だけ値下げするなら判るが、費用がかかっているのに無料化するというのは、高速道路を使わない人からお金を貰うことだ。
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子育て資金の原資は、国の借金だから、今、お金を貰っても、そのお金はやがてツケとなって、子どもにかかってくる。つまり今の親は自分の負担を繰り延べして、「子育て」というその子どもにツケを回しているのだから、醜い。
女性の社会進出が進み,テレビで女性に街頭で意見を聞いても堂々と発言する。それはとても良いことだが、「女性は乞食だ。お金を貰うのには抵抗がない」というのでは、真の男女平等は難しいだろう。
(平成22年6月6日 執筆)