人間の顔というのは不思議なものだ。子どもの時にはみんなが可愛らしい顔をしているし、目はキラキラと光り,純真さと知らないことに対する興味に溢れている。
思春期になると,自我との戦いが始まり、顔は歪んでくる。そして結婚適齢期になると男性はキリリと引き締まり、女性は優しく花開く。
そして40歳にもなるとその人の人生と心が顔に刻まれる。どんなに口でうまく言っても「目は口ほどにものを言い」というが「顔も口ほどにものを言う」とも思う。
特に男性は頬の骨からその下に続くふくらみの中に人生が見えるような気がするし,女性は肩の線を後ろから見るとわかる。
多くの画家は肩を脱いだ女性を斜め後ろから描く。その絵を見ていると女性の人生、子ども,男性との関係などさまざまなものが見えてくる。名画というのは素晴らしいものだ。
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そうした大人でも、「能面」の人と「表情豊かな人」がいる。
慎重な人はやや能面になるし、オッチョコチョイの人はとかく表情豊かである。一概に能面の人が策士とは言えないが、そういう面もある。
気になるのは、鳩山首相が辞任した民主党は「能面首脳部」で固まっていることだ。
鳩山首相、小澤幹事長は能面だ。いわゆる「人間らしい表情」というものをほとんど見せない。そして具体的な名前は挙げたくないが、記者とのやりとりなどを見ても、ほとんど表情が変わらない民主党の人が多い。
普通の人間同士のつきあいもそうだが、政治はなおさらであり、人と人とはその心で結びつくものだから、相手を信用していれば心は表情に出して良いものである。
また、人間は自分の職務が自分の能力を超えると、無表情になるものだ。頭の中で必死に整理をしていて余裕がないので、顔になにも表れない。
口に出る言葉はまだ整理がついていない、咀嚼されていないものなので顔にでない。
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短命総理大臣が続く日本で、人の評価を「表情」でやってみてはどうだろうか?
政治は人の心であり、能面では心は通じ合わない。民主党首脳部は「国民と心を通わせなくても良い。民主党が良ければよい」と思っているように見える。
まず、無表情、あるいは表情が豊かではない人に投票しない。
国民が普段の話し方から言って,「この人は自分が思っていることをそのまま言っているな」と感じる人に投票する。
もちろん、本気でやろうとしていることが口から出なければならないが。責任者は「思い」を口にしない方が良い。それは表情に出るものだから。
(平成22年6月3日 執筆)