鳩山首相の辞任が伝えられている。

鳩山首相は4代続いた政治家一家の出身で、なぜか大金持ちである。政治にお金がいると言われ、政治家になると財産を失うと言うのに、鳩山家は4代も続いて、なぜか(理由は一応,理解しているが)大金持ちだ。

彼は大学の工学部を出ている。つまり技術者になりたくて大学に入った。それがいつの間にか政治をしていた。

だから、普通に考えると彼は「政治を志そうと思ったのではなく,親が政治家で儲かっているから政治家になった」と推定される。

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私は2世議員に辛い。その理由は、「2世だから政治を志す」というのは少し奇妙だからだ。親父がなにかをしていても,自分は別のことをしようと思う息子が多い。

もちろん,親の商売を継いだり、親が医師なら子どもも医師というのも多いから、それ自体が悪いと言うことではないが、「本当に、この世の職業のうち、親父の職業が一番、良いと思ったの?」と聴かれると、少し困るだろう。

でも、個人的な会社とか,医師などは他人に及ぼす影響が小さいが、政治家ともなると,やはり「人格高潔,損得無視、人のため」という熱い心がいる。

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鳩山首相の不幸は、父親が政治で楽をしているのを見、母親が事務所から政治資金から丸抱えして貰い、自分が本来したかった技術もやらず、単に人形のような人生を送ったからだろう。

すでに、日本の政治は活力を失っているが、その一つの原因に「政治を志していない政治家」、「親がそうだったから成り行きでなった政治家」が多いことにも原因がある。

まず、第一に国民が選挙の時に,「立派な2世でも、この際,2世には引いて貰う」という断固たる投票行動をすることだろう。

そして、政治と金の関係を断ち切り、議員の歳費を減らして、

「親が政治家なら、あの苦労を見ている家族としては、子どもには政治家はさせたくない」

ということにならないと、日本の政治が立ち直ることはないと思う。

金は人の心を腐敗させる。

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日本の武士の権力構造は、「権力を持つものは金を持たない」ということであり、武士は決してお金に近づかなかった。

アメリカの制度が「政治とお金」であったとしても、日本は別の政治を進めることの方が正しいと思う。日本が世界の見本になることはできないと卑下する必要は無い。

(平成2262日 執筆)