子どもが幸福になって欲しい・・・それは親の共通した願いだ。まず第一には「健康でいて欲しい」、そして第二には「なんとか精神的にも安定して欲しい」ということだろう。

その次に、「できれば、回りの人に尊敬されながら、そこそこの生活をして欲しい」と思うだろう。でも、今の日本では子どもを囲む環境はそれほど良くはない。だから、親が子どもが順調に育つように手助けをしてあげた方が良いように思う。

なんで、こんな教育になってしまったのか?と私は学校教育を近くで見ながらそう思うのだが、グチをいっても子どもは時間を待ってくれない。だから親がやるしかないと、私は思う。

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まず、第一に現在の社会は「国民を全部、家畜化しようとしている」ということを認識しておく。

学校でも「考える」より「覚える」のを中心にするし、テレビはなんでも決めつけてその通りするように仕向ける。選挙になると、新聞もただ「選挙に行きましょう」とだけ呼びかけ、小選挙区に投票したい人がいないときにはどうするのかなど、なにも考えることは書いていない。

私が本を書くときでも、出版社の編集担当者は「先生、これでは不十分です。最後に「なにをしなさい」と書いてくれないと読者は満足しません」という。確かに書店に行くと「ノウハウ本」が8割を占めていると言っても良い。

ほとんどの日本人が何も考えない「家畜」になろうとしているときに、お子さんに「自分で考える習慣」を覚えさせることはなかなか大変だが、他人が不得意なことを身につけると、お子さんとしてはとても良いと思う。

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第二に、若干の注意がいる。

自分で考えるようになると、まず最初は社会の矛盾が見えてくるから、とかく社会に対して批判的になる。次の段階は、その批判を心の中に隠しておくことを覚える。これは「誠実さ」とは関係が無く、「判っていても、それを全部は出さない」ということで、人生で間違いが少ない生活を送ることができる。

たとえば、お金を貯める場合でも、社会を批判的に、良く自分で考えると、お金を失わずにすむ。

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そして、自分で考える癖がついたところで、日常的に、自分の知識をテレビや日常に起こることに適応する。私が試みた「北極の氷」や「南極の氷」のような例だ。

そうなると、さらにいろいろなことが見えてきて、お子さんの場合は成績も上がってくる。つまり、一つ、覚えると、それに関連することも思い出すようになるからだ。

私が担当しているシアターテレビジョンの「現代のコペルニクス」という番組で、「コペルニクスのように逆転の発想をするには」という解説を昨年の9月と10月にして、それが今、ネットでも見ることが出来るようになっているが、少しのノウハウがいる。

でも、体がそうであるように、頭も生きているので、いつも生き生きとさせていることがとても大切で、それさえ出来れば人生は楽に過ごすことができ、危険を自分の判断で避けることができるようになるから、これこそ親が子どもに教えることのもっとも大切なことかも知れない。

(平成2251日 執筆 音声あり)

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