日本が戦争に負けたことは大変なショックでしたし、なにしろ310万人の人が犠牲になったのですから、悲しい出来事でした。

でも、戦争が終わって希望もあったのです。その一つが「法の下では誰も同じ。いつも公平な裁判を受けることが出来る。拷問も無い。」ということでした。

今でも、それを信じて生きている人がおられます。「俺は間違ったことはしていない。間違ったことをしなければ牢獄に入ることはない」と思い、だからこそ、自分なりに額に汗して働いているのです。

人間には今日一日を過ごすことと、悔しい扱いを受けないことの二つがとても大切です。

その意味で、決定的なことが二つ起こりました。

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一つは鳩山首相の脱税です。母親から12億円を越える贈与を受け、「すみません。知りませんでした」だけでまだ首相の地位に座り続けているのです。

庶民なら到底、「知りませんでした」では税務署は許しません。でも、国会の議論を聞いていても、国税庁のお役人は首相に低姿勢で、つまらない理屈を言っていました。

おそらく「法の抜け道」を使ったのでしょうけれど、鳩山首相が重加算税を受けないなら、税務署は法の下の平等の原則に従って、今年の贈与税を取らないと宣言して欲しいと思います。

もう一つは、国松元警察庁長官狙撃事件で、時効を迎えたのに、犯人はオウムだと警視庁が発表したことです。

その理由は「法の下の平等などあり得ない。悪い奴は逮捕しなくても有罪だ」と言っていました。

私もオウムの一連の殺人事件を許すわけにはいきません。まして地下鉄事件、坂本弁護士事件など憎んでも腹が納まらない事件です。なぜ、今でも麻原が生きているのか不思議なぐらいです。

でも、何があっても、我々にはプライドがありました。それは「どんな極悪人でも裁判なしに縛り首にしない。日本人ならだれでも正義のもとで裁判をうけることができ、そこで無罪を主張できる」という希望だからです。

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鳩山首相なら許す、オウムのような悪い奴は拷問に掛ける・・・それが今の日本のゆがんだ社会です。こんなことを許していたら、社会的に弱い人はいつでもしょっ引かれる時代になるでしょう。

私は誠実な日本、日本人の誠、社会の恩・・・それを大切にして生きていますが、残念です。なにか極端な言動をしたいと思ってもいます。

足利事件で、容疑者が「自分はやっていないからDNA鑑定をしてくれ!」と頼んでいるのに、それを拒否して有罪判決をした最高裁判官が、今、東海大学の教授で「正義」を教えている・・・何という国になったのでしょうか。

シアターテレビの「現代のコペルニクス」を参考にして欲しいのですが、名古屋刑務所事件でも、ブタ実験を信用し、人体実験の結果を見るのを拒否して被告を有罪にした、悪徳裁判官がいるのです。

私たちが希望を持てる国になんとかしたいと思います。

(平成2241日 執筆)

(注:文章と音声の内容が少しダブりますが、場所の都合などで音声をお聞きになりにくい方もおられますので、両方入れました。)

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