ナチス・ドイツの時代,科学が政治と結託し,「民族には優れた民族と劣った民族がある」と科学が言い,それを受けて政治がユダヤ人はじめ「劣等民族」を虐殺した.
スターリン・ソ連時代.科学が政治と結託し,「共産主義のもとで生物を育てると優れた遺伝子を持つようになる」と科学が言い,それを政治が利用して科学者をシベリアに送った.
日本国憲法第23条に学問の自由が規定されているのは,このようなことの反省の上に立っている。国家にとって,もっとも危険なのは,科学が政治と結託することであり,それに報道が助力したら,破滅である.
自分が憲法違反をして,それで高邁なことを言ったり,人を指導しようとしてもそれは無理である。
学問の自由とは,テーマを選択し,方法を決め,その結果を発表する自由である.だから,どんなテーマを選んでも,どのような方法で研究しても,そしてその結果が政府のご機嫌を損ねても,それは憲法で保障されている.
「温暖化より寒冷化する(丸山先生)」と言い,「温暖化はむしろ良いことだ(武田)」と言っても,それで不利を与えれば,それは憲法違反である。
国立環境研究所は,学問の自由がない.このことは研究所のおもだった人に直接,申し上げているので,ここで言うのもフェアーである。
国立環境研究所には,研究員がテーマを自由に選べず,上司がいて,査定がある.すべて学問の自由に反する.そしてその結果,たとえば温暖化について,金太郎アメのように研究員が「温暖化危ない」と言う.
学問は異論が止まらないものである.20人もいれば,かならず5,6人は多くの人が同意する結論に疑問を呈する.それなのに,国立環境研究所の人はなぜ,IPCCの結論に同意するのだろう.かならず,自分の研究結果にはIPCCと異なるところがあるはずだ.
先日のテレビ討論で,「温暖化が怖い」と言っておられた人たちが,全く同じことを言うので,「まるで共産主義ですね」と発言した人がみえた.本来は共産主義でも異論はあるはずだが,それより全体主義的だった.全体主義は学問ではない.学問は統一できない.
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国立研究所の皆さん,科学―報道―政府 が結託したらどうなるのか,よく考えて欲しい.国立環境研究所―NHK―政府 が結託したら,ナチスやスターリンの歴史を繰り返し,それは暗黒の時代につながる.
事実,最近,温暖化に疑問をはさんでいる学者の人を見ていると,大きな差別を攻撃を受けている。それもネットが発達して,「匿名の人」からの学問とは縁が遠い,口汚い批判に晒される。
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皆さん,もっと日本の将来を考え,日本人の誠を育て,学問の自由を守ってください.ネットで匿名で罵っている君も日本のために目を覚ましてください.
地球が寒冷化するのか,温暖化するのかはまだ学問的にハッキリしていることではないのですから,どちらを選択するかは政治の問題ですが,学問の方に逆に刃を向けると日本は衰退します.
国立環境研究所が学問の自由を持たない以上,「科学の衣を着て,政府と一体の研究所が望ましいのか?」を疑い,できれば研究員が主導的になって組織を解散して政府と独立した研究所になってもらいたいと思います。
(平成21年9月6日(日) 執筆)