温暖化で海水温があがり,サンゴの白化が続いているという.実に怪しげだ.
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夏の「海水温」というのは,気温より低い。気温が35℃でも海水温は25℃ぐらいで,海に入るときには覚悟がいる.「冷たいっ!」と震えながら覚悟して海に飛び込む。あの瞬間がなければ海水浴ももう少し楽しいと思うぐらいだ.
また,水の熱容量(熱を抱く力)は空気の3500倍もあるので,夕方になって太陽が沈むと,海岸線の地域では徐々に気温がさがり,夜半になると涼しい風がふく.海水温が低いので,水面をわたってきた風が冷気を運ぶ。
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また,海水温というのは海水面からの深さによって大きく変わる。海水浴にいって沖に出ると,少しでも足が下に沈むと痺れるように冷たい. ひどいときには足がつることすらある.
一人で遠泳する時には特に足下の冷水に注意しなければならない.足が吊ると運が悪ければそれで一巻の終わりだからだ.
海の表面近くの海水温は25℃でも,少し下は20℃,そして500メートルも深くなると5℃程度になる.そして海洋全体の水温は3℃ときわめて低い.
海は循環する。かつて北極や南極の近くで冷えた海水は比重が重たくなって深く沈む。それが地球の海洋を作っているから冷たいのだ.
地球全体としては,極地で冷えた海水がグルグル回ってインド洋や太平洋の熱帯地方まで来て浮き上がる。これも地球の熱の運搬の一つである。
日本近海では,台風でも来て海水をかき混ぜると海水の表面温度は低くなり,台風が来ないと暖かい。だから,海水面の温度が温暖化によってだけ決まっていると早合点するのは感心しない.
日本のように四面を海で囲まれている国の気温はそれほど上がらないが,温暖化してきたら,少し深い海水をくみ上げてかき混ぜたら,一気に冷たくなるだろう。
あまり心配することはないのだ.地球というのはうまくできている。
(平成21年7月17日 執筆)