おびえている人がいるのだろう.なにか人を驚かすようなことを言わないと,だれも自分に注目してくれない。そうすると受信料が取れなくなるとおびえているのだろう。
ホッキョクグマが温暖化でおぼれているという.そんな事は一切無いが,人間の活動する範囲が広がり,ホッキョクグマの数が減ったり増えたりしているのは事実だ.
アメリカの政治的な運動でホッキョクグマが絶滅危惧種に指定されていることも事実だ.
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人間がだれも北極のような寒いところに関心がない時代,少数の民族とホッキョクグマは共存していた.でも現代人が入るとたちまち北極は荒れる。
ホッキョクグマはヒグマの仲間で,ごく最近,種として独立したものだ。下の図は池田清彦先生の「新しい生物学の教科書」というご本に載っている系統図を拝借した.
ホッキョクグマはある時にヒグマと分かれて独立した「種」となった.その時点で生殖隔離され,ホッキョクグマはホッキョクグマと交配し,子供を作るようになった.
でも,まだ分かれた直後なので,ホッキョクグマとヒグマの間の子供は生殖能力がある.ほぼ同一種と言っても良い。
それに,この系統図を見ると,Eというヒグマの種類とAやBは「ヒグマからホッキョクグマが分かれる前に分かれている」.つまり,ヒグマEは,同じヒグマAよりホッキョクグマFの方が「近い親戚」なのだ.
ホッキョクグマが絶滅するのは良いことではないが,そうかといって,それほどの重大事でもない。
「自然を破壊する」と言っても,東京ほど自然を破壊しているところはない.東京はかつて湿地帯であり,草原であり,そして武蔵野の林があったところである.
そこには多くの生物相が見られた.
それをすべてなぎ倒し,埋め立て,絶滅させた人たちが,今「自然保護」を訴え,東京をそのままにして(自分たちは極度に温暖化し,生物を絶滅させたところに住んだままなのに),国民の税金を「温暖化防止」とか「生物多様化」に使おうとしている.
生物にも生態にもまったく興味のない人たちなのに・・・
(平成21年6月29日 執筆)