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人生は退屈すれば長く、充実すれば短い。

                                          (有名な格言)

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人生でなにが一番,長い日だったかというと,それは高等学校の試験前の日だ。まだ勉強することは山ほどあるのに,早くこのイヤな時間が過ぎて欲しいと願う。実に矛盾した一日である。

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若い一日は長く,歳をとるとアッという間だ

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というのも事実である。青春は苦く,一日は長い.それがいつの間にか感受性が弱くなって,人生の苦さは取れてくるけれど,その代わりに一日,いや一ヶ月ですら,あっという間に過ぎる。

若い一日はえてして時間があり,だから長い.そして歳をとると何かとせわしなくなり,そして一日はあっという間に過ぎる。

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人生は暇なときは長く,忙しくなると短くなり,意味がないことで追われる人生は瞬間にすぎる

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といったところだろうか.

ところで,人生の時間というのは,誰でも同じように与えられるのではないかと思うことがある.「人生は退屈すれば長く」というのはその人にとって退屈するような場合には,人生には意味が無いので,神様が長い時間を与えてくれるのではないか.「充実すれば短い」というのは恵まれすぎていると神様は短い人生を与えてくれるような気がする。

幸福な人には「失う不安」が与えられ,不幸な人には「幸福になるチャンス」が与えられる。不幸が続けばつねにチャンスがあるが,幸福になるとその瞬間から不安がつきまとう。

人が幸福になると言うことは,「充実した時間を過ごせばそれだけ人生は短くなり,幸福になれば不安にさいなまれる」ということを知ることなのだろう。

(平成21619日 執筆)