政府が約15兆円の「景気浮揚策」を決め,その中でたとえば「エコ」という名の下に2兆円もだす。
「だす」と言っても政府が出すわけではない。国民の税金を使うだけだ.そして,1350万円のハイブリッドカーを買うと,約70万円の税金を出す。その税金は軽自動車にのっている庶民から消費税で取る。なんという制度だ.
15兆円と言えば,日本人は1億2千万人余だから,一人あたり12万円,ということは4人家族で実に48万円にもなる.
大型冷蔵庫,大型テレビ,1350万円の自動車を買ったら税金をくれる・・・・・そんなことをしてくれなくても,48万円,減税してくれれば自分で買いたい物を買う。
もともと,政府が「これを買え,あれを買え」と言われたものなど買いたくない.買いたい物は自分で決める。だから減税してくれれば良いが,反対に消費税を増税して政府に買う物を決めて欲しくはない.
日本の国際競争力を考えてもそうだ.国民が欲しいものを買うなら,「良い物」が売れるから,それは国際競争力も高まる。でも,政府が「これを買え」というのは癒着しているから詰まらないものを買わされる。
つまり,国際競争力がないから補助金をつける。補助金をつけなければ売れないようなものを売るのだから,経済は疲弊する。
かつて,国内の石炭が高くなってきたので,補助金をつけた.「エネルギー自給政策」というのが名目だが,その実,天下り団体を作り,キックバックを期待したのだ.それで,日本のエネルギー産業は壊滅した。
健全な経済発展は自由な意志で良い物が売れなければならない.国際競争に勝てず,補助金を出さなかったから,ドイツに負けた等と言って補助金をだしても補助金が無くなればすぐ衰退する。
政府が関与して暴走しないようにするのは金融のような生産を伴わないものであり,製造業はみずから自由に努力する.政府が行うのは補助金を出すのではなく,やや反社会的な製造があればそれを規制することだ。
補助金という名の税金は産業界には痲薬であり,今度の「エコ・・・・」は一個人がお隣さんの税金を貰ってテレビを買い,それで自分が楽しむのだからこれも痲薬だ.
自分が楽しむテレビぐらいは自分の稼いだお金で買いたい.私は「エコ乞食」ではない.
(平成21年6月18日 執筆)