経済産業省が8日、エコポイント制度の効果の試算を発表した.

それによると,10年前に比べて家電製品の省エネが40%進んでいるので,エコポイントでドンドン家電製品を買えば,CO2の排出量は年400万トン削減されるという。

しかも産業全体で約4兆円の効果が見込まれると発表した.製品が3000万台ほど販売される仮定している(税金の投入は約3000億円)

国のやることは「正しい」と決まっていて,お役人は「間違いをしない」という仮定があるという.ということは,この計算方法でCO2量を計算して良いということを意味している。

つまり,ある行為に対して発生するCO2量は,全体を考えなくてもよく,目の前のものだけでよいということを示している。

エコポイントの対象になっている大型冷蔵庫は,膨大なCO2をだす鉄鋼やプラスチックを使っているが,これは計算しなくても良い。

その冷蔵庫を作る時に,偽装の会社「日立」の工場ではエネルギーや材料,建物を使い,運搬にはトラック,売り場も照明や冷房を使うが,それらもすべて計算しなくても良い。

ただ,使う時の電気だけでよく,しかもかつて250リットルで,まだ使える冷蔵庫を捨てて,450リットルに替えても,計算しなくて良い。もちろん「廃棄したりリサイクルしたりリサイクルしたりする時のCO2」も計算しなくて良い。

こんな計算は「環境学」の試験では零点だから,間違っている。子供には教えられないが,国では成り立つという。

とんでもないことになったものだ.

税金を3000億円使い,買い換えなくてもよい冷蔵庫(エコポイントがなければ買い換えないというのだから必要のない買い物)などを3000万台作り,販売代金などの売り上げ増は4兆円。そしてCO2は400万トン減らせるという.

日本は「科学技術立国」と言われるが,零点の答案にどのぐらいの国民が騙されるだろうか?

(平成21611日 執筆)

(注)この記事は「失礼だが・・・経産省って,アホ?」というタイトルの記事を書き直したものである.基本的な事なので,真正面から取り組んでいく必要があると考えたからだ。