「環境」という名前のもとで,大人はどこまで子供を騙すのだろう?

「温暖化を防止するために,電気をこまめに消しましょう,レジ袋を使わないようにしましょう」と言い,それを子供にも教えてきた.

ところが,金融崩壊がきて少し不景気になると,「高速道路はどこまで行っても1000円。これからもドンドン高速道路を使う人だけ(ETC)のサービスに税金を出します」ということになった.

何という無節操なことだろう! 高速道路を飛ばせばレジ袋の数年分のCO2は一度で出してしまう.そんなことが判らないで「科学技術立国」であり得ない.

大人はみんな判っているのだ.電気をこまめに消すことと,レジ袋を追放すること,そしてETCの高速道路を1000円にする事がすべてまったく矛盾していることを・・・

「馬脚を現す」とはよく言ったものだ.「明日のエコでは間に合わない」と盛んに放送しているNHKは「高速道路1000円」でエコが間に合うと思っているのだろうか?

いや,どうせNHKはすでにCO2を80%増やしているのに,視聴者には6%削減を呼び掛けているような「誠のかけらもない放送局」だから,平気なのだろう。少しは謝罪したらどうか.

もう一つ,今度のことで馬脚を現したグループがいる。

それは,これまで「地球温暖化防止がもっとも大切」と声をからしてきた専門家やタレントだ.彼らは「高速道路1000円」にまったく反対の声を上げない.

2050年前にCO2を50%削減しなければと言っていた人はどうしたのだろうか? 反対運動も聞かないし,テレビでの発言もほとんどない.あと40年余で50%削減というと,今度の金融崩壊などはCO2を減らす絶好のチャンスだろう。

困っている人がいるからとりあえず景気対策というなら,自動車に乗り,ETSを持ってこれからも高級乗用車を乗る人を優遇するのではなく,臨時でも良いから税金を取る給与の下限を上げたり,NHKの受信料を下げたらよい。

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情けないことに,誇り高き日本人の大人が,「ゴア症候群」になったのだ.他人には「電気をこまめに消しましょう」と呼び掛け,自分の自宅は月30万円の電気代を払う。それを指摘されると大慌てで太陽電池を入れる・・・馬脚ももう少しうまくかくして貰いたいと言いたいぐらいだ.

日本政府は,「国民総家畜化計画」と「日本人総縦割り計画」を進めているから,この1000円騒動は納得できる。何しろ,一つ一つのことが何とか説明できれば,相互の関係をつけるという基本的な「誠実性」などはまったく関係がない.そんなことに気が回る国民を作りたくないというのが政府の狙いだからだ。

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ところで,私個人から見ると,「不誠実な人が,誠実に発言している人を批判する」という風潮が続いている。リサイクルもしないでリサイクルの税金を取っている人が 私が誠実に事実をそのまま明らかにすると,反省するどころか私の方を批判する。

温暖化などまったく関係のないデラックスな生活をしている人が,「庶民は温暖化防止の意識がない」と怒ってみせる。心がすっかり病んでいて,誠の無いことに気がつかない.

こんな状態で子供を教育することができるのだろうか? 誠のない指導者を一斉に追放する時が来た。「私たちにできること」はNHKの受信料を払わないことと,選挙で誠の無い人を落とすことだ。

(平成2157日 執筆)