世界の野球大会で日本が優勝した.とても嬉しいことだし,多くの日本人は喜んでいた.
「侍ニッポン」という言い方はあまり好きではないが,それでも「日本人」というのを強く意識したという点では良かったと思う。 我々は大和民族だからだ.
常々,日本の大人は,日本の子供や孫を守る義務があると言ってきた。 私の分野だから,どちらかというと環境だが,それは科学でも教育でも,そして経済でも同じだ.
日本の大人はまず日本の孫を守る。 それが十分にできれば,その次に近隣諸国,そして世界の人類,それから生物,余裕がさらにあれば「地球」も考えても良いが,そんな余力はないし,また傲慢でもある。
だから,「地球に優しい」というような変な言葉はもう使わないようにしたいものである。
いったい,「地球に優しい」という言葉ほど,訳が分からないし,厳しく言えば欺瞞的な言葉は無い。 このコピーのもとで行われていることは,いつも「人間だけに優しい」ことであり,さらに「自分だけに優しい」という場合すらある。
「明日のエコでは間に合わない」というコピーのように気持ちが悪い.
もちろん,人間が「地球」に優しくできるはずもない。 もし地球が誕生したときに戻すなら,CO2は1万倍以上にしなければならないし,成層圏のオゾン層も破壊してあげなければならない.
地球は誕生して30億年ほどの間,オゾン層はなく,CO2は現在の100倍以上あったのだから,それを地球は望んでいるだろう。
そんなことは誰でも知っている,そして「地球が優しい」というコピーが欺瞞的なことも分かっている。でもその欺瞞・・・つまり「ウソがまかり通る」・・・というのが現在の日本であり,それ故に,日本人の大人が日本人の孫を守らないのだ.
たとえば,温暖化でも,日本をどう守るかという議論はほとんど無い.「電灯をけす」とか「蛍光灯に換える」という無意味ことをしているだけだ.
日本は世界の5%以下のCO2しか出していないので,もしCO2で温暖化するなら温暖化を防ぐことができないのはわかりきっている。
だから,温暖化によって起こることを防がなければならない.つまり,日本の孫を守らなければならないのだ.
ベースボールで,日本が優勝し,みんながあれほど嬉しい気分になるなら,この際,「地球環境を守ろう」というのではなく,もっと謙虚に「日本の環境を守ろう」という方を先にしたらどうだろうか?
それなら私も参戦するが,「地球に優しい」では一緒にやる気分にはなれない.
(平成21年3月24日 執筆)