この世には働いても働かなくても,不況でもなんでも,一定のお金を貰う人たちがいる.その中でも「批判もされない」となると,人間はしたい放題になるのは当然だろう。

マルクスやエンゲルスが悲惨な労働者を目の当たりにして理想に燃えて作り出した共産主義も「人間の欲望」を生み,結果的には,時の権力者と高級官僚の利権を保護するだけの社会体制になった。

人間の性は変わらない.

日本の中でも,お役人,NHKが「働かなくても,不況でも」変わらないという特別なところだが,お役人はとかく批判されるが,NHKは批判すると「NHKに出さないぞ」という天下の宝刀を持っているから誰も批判しない。

特に政治家と芸能人がこれに弱い.活動の基盤を失うからだ.

NHKがすることは,ただ自分たちを評価する国会議員の覚えだけだから,政府よりの報道さえしていればよい.中川前財務大臣の泥酔会見を1日,報道しなかったのも,その一つの証拠である。

現代のマスメディアには大きな問題があるが,その元凶はNHKにある.「働かなくても,ウソの報道をしても,不況でも」おなじ給料を貰い,「批判すれば干す」という宝刀を持っているところをまず無くさなければならない.

お役人はいないと困るが,NHKは無くてもよい。 民放があるし,ネットもある.NHKがあれば民放はNHKを避けた番組を組まなければならないが,民放だけなら,今,NHKがやっている番組などもやるようになる。

NHKは1990年に比較してCO2(電力中心)を80%も増やした.それなのに国民には「明日のエコでは間に合わない」と言って,-6%を強いている。

その理由を聞くと,「私たちは偉いから」と言う。 もっともなことだ.この世で「働かなくても,不況でも,ウソをついても」おなじ給料をもらえるなど,よほど偉くなければならない.確かにNHKは偉いのだ.

「NHKを貴族にする」という法律を無くさなければ,日本人はNHKの作り出すウソの番組で幻想を抱き,お金を吸い上げられる。

そう言えば,年率10%を超えるGDPの減少と報道されている.この報道自体が,3ヶ月の減少を「1年間,ずっとそうだったら」などとして計算しているのだから,怪しいが,とにかく,そう言っている。

そう言っているのに,NHKの受信料を下げない。 視聴者は苦しんでいるが,NHKはリストラもしないし,期間労働者の首切りもしない.日本の中の貴族だからだ。

貴族に正しい報道ができるだろうか? 生活に苦しいのも,格差が大きいのも,将来が不安なのも,彼らには単に頭の中で考えるだけだ.アナウンサーはカメラに向かってニコニコと人の良さそうな顔でほほえみ,後ろで赤い舌を出している.

もし,そうでなければ,NHKの職員から「この不況でみんなが困っているのだから,私たちもGDPの低下分だけ,リストラしよう」と言うはずだからである。

その人の心は「口」ではなく,「行動」でわかる.

(平成21223日 執筆)