2007年12月3日にインドネシアで始まった「国連気候変動バリ会議」で「本日の化石賞」を受賞した。
世界中の民間活動団体の連合体「CAN」が、その日の会議の進展に最も後ろ向きだった国に与えるのが「化石賞」で日本が1~3位を総なめにした。
この受賞に喜んだ日本のマスメディアは大きく取り上げ,このことを知っている日本人は多い.民間活動団体がいかに白人によって牛耳られ,彼らの利害を代表しているのかは,次の二つのデータを見れば歴然とする.
まず現在,世界でCO2を実質的に削減しているのは世界で日本だけ。アメリカは批准せず,カナダは離脱(表では批准せずになっているが,正確には離脱,いずれにしても協定から抜けている)しているし,ヨーロッパは狡く立ち回って増枠を採っている.
さらに,GDP(国民総生産)あたりのエネルギー消費量は日本は断然,少なく,エネルギー消費量がほぼCO2排出量に比例するので,日本はここでもCO2は少ない。
このように,日本は世界で唯一「京都議定書を遵守してCO2を削減しようとしている国」であり,さらに日本は世界でもっとも「GDPあたりのエネルギー消費(ほぼCO2排出量に比例)の少ない国」である.
それなのになぜ化石賞か? それなのにこの「陰謀」になぜ,日本人が喜ぶのか? 日本人が故もなくおとしめられているのに,日本人は喜ぶのか?
それもインテリほど日本が白人に批判されると喜ぶ傾向がある.
誇りのない白人の召使いとしての悲しい民族になったものだ.日本の環境関係団体で,日本人としての誇りをもっているところはあまりにも少ない。多くの団体が白人崇拝だ。
先ほど「陰謀」と書いたが,国際政治が「お人好し」で自分が損することをするということはない.その点では,世界は日本を全く信用しない.
なぜ,信用しないかというと,世界で最もCO2を出すのが少ない日本で,CO2も世界の4.5%しか出していないのに,CO2削減などをやっているので,その意味を理解できないのだ.
言葉は悪いけれど,わかりやすく言えば,ヨーロッパ人は「どうせ,日本はアメリカの犬だから」と思っている。 日本の指導者ほど簡単なものはなく,ワインでもごちそうすれば簡単に同胞を裏切る。
さらに,この会議にでていた日本の民間NPOも理由もなく化石賞などと言われても,全然,反発せず,そのまま受け入れる。
むしろ「もっとCO2を削減しないといけないので,化石賞をもらったことを宣伝することによって,さらに日本人を苦しめることができる」と思うのだ.
マスメディアも「日本人イジメ」に走り,この記事に載せた図などはほとんど国民に知らせず,「化石賞」だけを報道する.
毎日のように日本人が誇りの感じるような報道が行われるのと,「ダメだ,だめだ」と怒られるのではどっちが元気が出るだろうか? 無理に元気を出そうというのではない.誤報を続けたり,「化石賞」の要にほとんど事実と違うような報道をしてスポイルする意味があるかと疑問に思うのである。
日本人は世界的に見ても,模範となる民族と言っても良いほど生活態度も,技術開発も優れている。個人個人の資質がこれほど良いのに,集団ではマスメディアや政治に見られるようにどうも良い性質が出ないのはなぜだろうか?
(平成21年2月11日 執筆)