かつて,日本人が明るく活発だった頃,それは松下幸之助や本田宗一郎が目立った頃だったが,みんな「お金を貸してくれ」と言った.
アイディアも多く、多くの人が「あれをやりたい,これをやりたい」という時代だった。
その頃には銀行は、市民からお金を「預かり」,それを「やりたい人」に貸した.銀行は威張っていてイヤだったけれど、とにかく貸してくれるし、預金する方としては利子が付いて良かった.
でも,いつの間にか,銀行にお金を借りに行く人がいなくなった.銀行の貸し渋りもあるけれど、借りる人がいなくなったのだ.アイディアと夢がなければお金はいらない。
若い人の心も荒れてきた。何しろ,夢を持つとやられるのだから,だれもジッと黙って生きていた方がマシというものだ。 苦労したら叩かれる。小さな失敗でコテンパンに叩かれる。
一方、銀行は借りる人がいないので,国債を買う。 国は税金を増やせば国民から文句を言われるので,国債という名前の税金を銀行から取る。 もちろん,返さない。収益事業をしない国が返せるはずもない。 銀行には返すが,増税してからだ。
国は銀行からのお金を天下り団体に配る。そうすれば,自分の就職先が決まる。 そしてお金を出す理由は国民が喜ぶ「環境」と「福祉」だ.だから何でも「環境」,何でも「リサイクル」,そして今では何でも「CO2」だ.
日本の環境はすでに何も悪くないが,世界で唯一,お金が余っている日本は政府にお金を回して,架空の環境で騒ぐ。
「温暖化」と言い、「カーボン・ニュートラル」,「グリーン・ニューディール」と言い、そして「メタボリック・シンドローム」と言う。 ごまかすのだから,できるだけ英語が良い.一つ言葉を作るとおおよそ5000億円ぐらいのお金を吸い取ることができる.
それを付け届けする人に配る。
かくして「貰う人」が増える。貰う人は借りる人と違って倒産しない.最初から赤字の仕事を「税金を貰って」やるのだから,何でもOKだ.ただ,お金を配るお役人にいつも顔を出しておかなければならない.それだけが「貰う人」の仕事だから。
問題は「環境」で脅されてお金を使わない国民だが、日本の道徳なら「脅す方が悪い」.
英語がでてきたら,財布を狙っている!
でも,心配ない.お金は人生に何ももたらさない.お金が欲しい人は勝手にやったらよい。 私たちは毎日を一所懸命に生き、愛する家族,信頼できる友、そしてなじみ深い愛用品で囲まれた毎日が欲しい。
(平成21年2月2日 執筆)
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