2008年11月29日、全国から集められたデータを集計した「日本ウミガメ協議会」(NPO法人)は、日本のアカウミガメの産卵数が1990年以来、最高を記録したと発表した。
発表は11月28日から開催されている「第19回日本ウミガメ会議」で行われ、アカウミガメの産卵回数は、全国で10847回に上り、これは昨年の3668回と比較すると約3倍にもなる。
アカウミガメは日本ではもっとも普通に観測される種だが、海岸線の変化などの影響を受けて徐々に減っており、環境相は絶滅危惧種に相当するレッドリストに挙げた。
アカウミガメの減少については、同協議会も「保護活動の成功」などをあげているが、一部の専門家は「温暖化で減少した」としていた。
今回のアカウミガメの産卵数の増加は自然保護の立場から朗報であり、ここ数年、徐々にではあるが進んでいた増加傾向を確認した意味がある。本当によかった。
しかし、自然の営みは複雑であり、一年ごとや数10年に単位であまり断定的な判断をするものではなく、今後も注意深く観察していく必要があろう。
(平成20年12月2日 執筆)