やしきたかじんの放送で、私が解説したことを説明するために、このHPに「特設スタジオ」というものを設けました。リサイクルやダイオキシンについては詳しく説明しましたが、地球温暖化については、このHPに詳細に載せていますので、「環境」、「美術」というカテゴリーのところを御参考になってください。
ここでは、最近、地球温暖化に関する国際会議(IPCC)から「第4次報告書」が出されましたので、気象庁の翻訳を使って説明したいと思います。
まず報告書ですが、報告書は次のようなタイトルのものです。
ここで報告書が「政策決定者向け」ということになっていますが、これはIPCCが各国政府の資金援助のもとに地球温暖化の研究をしているので、お金を出してくれた各国政府に報告するという形になっているからです。
【説明開始】
北極の氷については、すでにやしきたかじの番組で説明しましたように、アルキメデスの原理がありますから、北極の氷が溶けても海水面には影響しません。今回の第4次報告書でも、北極の氷と海水面の上昇については何も記載されていません。
南極の氷については、「これまでのこと」と「今後のこと」に分けて記載されています。
「これまで」については次のように書かれています。
地球が温暖化していると言っても地球全体のどこもかしこも同じように気温があがっているわけではありません。南極の極点はわずかながら気温が下がっており南極大陸全体では気温は変わっていません。
したがって南極全体の氷の量もあまり変わっていないと報告されています。これについては、日本のテレビや新聞が南極の氷がどんどん融けているような報道していますので、驚く人もいるでしょうが、IPCCは別の説明をしています。
次に将来について次のように表現しています。
これも私がやしきたかじんの番組で説明しましたように、冷蔵庫に水を入れるのとお湯を入れるのと同じ原理です。お湯を入れると湯気が出ますので霜が多くつきます。南極大陸の周りの気温が高くなりますと海水から水蒸気が上がり、それが南極大陸に雪となって降りますので、全体としての氷は増えていくと報告しています。
だから地球温暖化と北極および南極の氷との関係は、今までと日本の環境省や新聞などが報道していたことが、まったくのウソであることが再び実証されました。
ただ南極の場合には気象の問題がありますから、様々な計算があり得るわけで、例えば、周辺の氷が大規模に地すべりしたりしますと、影響が出ます。またこれまでも海水面の変化の15分の1ぐらいは南極の状態が関係していたのではないかと報告しています。
ただその場合でも15分の1ですから、南極の氷は海水面とはあまり関係がないということは知っておいた方が良いと思います。
【言いたいこと】
人はそれぞれに意見があります。地球温暖化はどうしても避けなければならないと強く思っている人もいるでしょう。私もその一人です。
現在、日本人が使うエネルギーや物質は日本の大地からとれるエネルギーや物質の100倍から1000倍も使っています。そんな状態が良いとは私は絶対に思いません。
現在のように膨大なエネルギーや物質を使った結果が気温の変化となって表れているわけですから、一刻も早く私たちの生活スタイルを変えなければならないと私は強く思っています。少なくとも「私の生活スタイル」は変えています。
その点で、私と日本のマスメディアは環境に関する考え方は同じと思います。ただ違うのは、私は自分の意見がこうだから、事実を適当に変えることをしません。事実は事実としては示し、それから自分の意見を言うということを守っています。
事実が不都合なこともあります。でも、それをそのまま示すのが誠意ある説明の仕方だと思っています。私は学者ですが、学者も新聞記者も同じで「事実に対する信頼感」が第一です。だから、自分の意見がこうだから事実を変えて報道するということは、あまり好ましくないと私は思っています。
ところで、海水面の上昇について、アメリカの副大統領のゴア氏は「不都合な真実」という本で6メートルと言っています。日本のマスメディアは60メートルと報道したこともあります。データの出所は同じでIPCCですが、そこは30年間で10センチと言っています。
地球温暖化を怖がらせたいというので、10センチというべきところを6メートルとか60メートルと言うのはウソの部類と思います。「あるある大辞典」はまだかわいいウソですが、地球温暖化のウソは深刻です。まずは頭を丸めてもらいたいと思います。
現在の日本社会は、自分の利害関係や自分の意見を通すために事実を曲げても良いというのが常識になっています。そこで私が「北極の氷が融けても海水面が上がらない」というと、「地球温暖化はどうでも良いのか!」とお叱りを受けます。
私が地球温暖化を心配しているというのは私の考えであり、北極の氷が融けても海水面が上がらないというのは事実です。事実は事実として示し、地球温暖化が問題であれば、それはそれとして示すのが、誠意ある学者としての言動であると思っています。
おわり