― 朝鮮の人に謝りたい ―
今から約800年前。もうずいぶん昔のことになるが、中国・朝鮮連合軍が大挙して日本を攻撃してきた。朝鮮半島の合浦を出航した船団は対馬を一なめにして進軍し、壱岐の島に上陸。たちまちの内に僅かな守備隊を全滅させた。
島を占領した中国・朝鮮連合軍は、島の男を皆殺しにし、女性を裸にして手の甲に孔をあけ、船縁に吊した。裸にされて手の甲に孔をあけられ血だらけになって船縁に吊された苦しさはいかばかりだっただろう。今でも、私はこの話をすると手が痛くなる。
中国・朝鮮の人は残虐である。日本を攻撃する目的が日本本土を占領しようとするなら、何も壱岐の人を全滅させることもなく、まして無抵抗な女性を裸にして手の甲に縄を付けて船縁に吊す必要など無い。
現在、中国や朝鮮に住んでいる人たちはおそらくこの時の子孫だと思う。だから、まず先祖が日本人に対してやったこの残虐行為を認識し、謝ってもらいたいと思う。
でも、そんなことは求めたくない。第一、昔のことだ。子孫とはいえ、今の中国や朝鮮の人に責任を問うても仕方がない。それより戦争というものはもともと残虐だ。あれこれ言っても、話がこじれるだけで前向きではない。
さらに言えば、当時の中国や朝鮮の人は他国に攻め入って、そこで平和に住む人を皆殺しにするのは「正しい」と思っていたのだ。今から考えると実に変だが、当時はそれが「正しかった」。
約100年ほど前、日本は軍が力を持ち、朝鮮と台湾を占領して併合した。今では考えられないことであるが、当時は800年前の思想・・・強ければ攻めても良い・・・という考え方がまだ続いていた。
女性に選挙権は無く「正しい」という基準自体が現在とは違っていた。
日本人にとっては朝鮮と台湾を併合して国土を増やしたのだから、良かった。また朝鮮や台湾の人の中にも日本人になって良かったという人もいただろう。でも大半はイヤだっただろうし、被害も受けたと思われる。正確な記録が無くても他国の人に占領されれば、酷い目に遭うのは歴史的事実である。
だから、100年前の朝鮮、台湾併合を「800年前の仇討ち」というのも適当ではない。たとえかつて酷い目に遭わされても、仕返しをしない方がよかった。だから、日本人は朝鮮の人と、台湾の人に謝りたい。謝って済むわけではないが、過去のことはいずれにしても元には戻らないのだから、できることと言えば謝ることだけしかない。
ところで、この2つのことを歴史的に見ると、中国・朝鮮連合軍が日本を攻めたのはモンゴルの影響であり、日本が軍備を増強したのはヨーロッパ、アメリカに占領されないためであった。
100年前の世界。東アジアではフィリピンはアメリカ、インドネシアはオランダ、インドシナはフランス、ビルマ以西は中東までイギリス・・・というようにすべてはヨーロッパとアメリカに占領されていた。中国は列強に蝕まれ、香港はイギリスに占領されていた。
そんな状態に危機感を持った日本は軍事力を高め、「アジアをヨーロッパやアメリカの魔の手から守ろう」と考えた。それに挑戦する過程で朝鮮と台湾を併合し、満州国を作り、さらに太平洋戦争に突入した。
日本の計画は失敗した。太平洋戦争に敗れ、多くの将兵や国民、300万人を犠牲にして敗退した。そしてインドネシアはまたオランダに、インドシナはまたフランスの植民地に戻った。でも、一度、アジア人である日本がヨーロッパ人を追い出したことによって、そこに住んでいる人に勇気を与え、その後のアジア独立戦争に結びついた。
日本がヨーロッパやアメリカを追い出したからと言って、日本の行為が正しかったとは言えない。今から考えればまずい点が多かった。でも当時の人は当時の人の常識で正しい行為をした。800年前、壱岐を占領して皆殺しにした中国と朝鮮の人も、当時はそれが正しかったのだろう。
祖先を非難しても始まらない。
でも、800年前はいざ知らず、あまりに身近な朝鮮と台湾の併合について、今の日本人は謝らなければならない。それは「当時、間違っていた」というより、「今、考え直すとどうも不都合であった」ということだから、「現代の日本人」が謝るのがよい。「先祖が悪い」と言われると、素直な気持ちにはなれない。
私たちの祖先を祀りたい。どの国でも祖先を罵倒されるのは辛い。これは、思想や政治の問題ではないと考えられるので、靖国の問題をあまり政治的な問題として取り上げない方が良いのではないだろうか。
最後に中国(台湾以外)について触れたい。日本は中国にも迷惑をかけた。でもそれはイギリスの方が先で、アヘン戦争以来、イギリスが中国にした仕打ちは日本より長く、酷い。だから、アジア人として、まず中国はイギリスの歴史認識を厳しく問い、イギリスを安保理から外すべきと主張して欲しい。
そうしたら、日本人は素直に中国人に謝ることができるのではないか?イギリスも日本も悪いのだから、悪い比較をしても仕方がないが、それでも順序というものがある。また、東京裁判のようにイギリスも荷担した裁判を中国が認めていることも「歴史認識」を複雑にしていると思われる。
終わり